着実に進める卒業研究の予備実験

本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析コース
(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)」があります。週末を活用することで、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得すること
ができます。

このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家
資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの
定員を20名として、少数精鋭で開講しています。


卒業研究は、これまでに学んできた知識や技術を復習し、より深く修得するとともに、
研究の進め方や試料の前処理の仕方など実務的なスキルを学ぶ機会でもあります。
そこで、本校では卒業学年である2年生が学びの集大成として卒業研究に取り組みます。
そして、毎年2月に学校に求人をくださる企業の方や保護者の方などもお越しになられる
卒業研究発表会で、その成果を発表します。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)

化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)の学生の登校は土曜日・
日曜日のみなので、平日学科の学生よりも一足早く卒業研究の実験がスタートしています。
とは言っても、まだ始まったばかりで、今は実験操作に慣れたり、実験条件を決めたり
するための予備実験を行っています。

私みなとが担当している卒業研究班は香辛料の持つ機能性を検討しています。
同時に複数の項目を検討するため、班の中で分担を決めて進めています。

こちらは油脂の酸化を抑制できるか検討しています。実験手法は、これまでの実験で
何度も行ってきた滴定という方法なので慣れていますが、油脂の酸化を測るのは初めて
なので、実験手順を確認しながら進めています。


こちらは様々な菌に対する増殖の抑制または促進効果を調べる予定ですが、まずは培養
の方法を修得するために、練習実験を行っています。

学生に話しを聞くと
『これまでの実験は先生の指示に従って進めていましたが、卒業研究では自分たちで
考え、相談して進めていくことになります。今は、少しでも効率良く実験を行えるように
相談しながら、実験条件や操作手順を決めています。条件や手順を決めるだけでも思った
以上に時間がかかり焦る気持ちもありますが、落ち着いて実験を進めていきたいです。』
『細菌学的検査の基本操作は1年前期の基礎化学実験で学びましたが、卒業研究では
より高度な技術を学ぶことができて、楽しいです。まだまだ慣れないことも多くて、
先生に指示をもらいながら進めていますが、しっかりと技術を修得したいです。』
とコメントしてくれました。

卒業研究はスタートしたばかりです。確実なデータを積み重ね、成果へとつなげていく
ことができるように、まずは1つ1つ技術を着実に修得していきましょう!

by みなと