機器分析化学実験の心得

ICPMS実験中

今日は1年生命バイオ学科の機器分析化学実験を担当しました。
今日の実験内容はICP-MS(高周波誘導結合プラズマ質量分析器)です。この機器はとても濃度の薄い溶液でも分析ができる好感度な機器で、大雑把なことを言うと『25mプールの中に1摘みのお塩を入れた位の薄い溶液』でも分析できてしまいます。
ですから実験で使う溶液の調製も丁寧に慎重に行わないと不純物がたくさん入り込んでしまいます。硝子製の器具が使えなかったり、器具も予め硝酸で洗浄したり、と他の実験では行わなかった丁寧な操作は必要とされるため、みんな慎重に器具を洗浄し、実験で使う溶液を調製していきます。
丁寧に丁寧に溶液調製を完了させ、いざ測定。この分析機器の場合、測定の時間はごくわずかです。5〜6サンプル計るのに30分も必要としませんので、終わってみるとちょっと拍子抜けする感があるようです。
でもこういった機器の分析は機械の扱う部分だけが大事なのではなく、いかに正確に溶液を調製して、機械の設定をして、きちんと測定できる準備ができるかと言うところが大事です。これまで8週間の機器分析化学実験を通じて、そろそろそのことを実感し始めてくれている頃のようです。

by ドラ一郎