食の安全を守る卒業生

ガスクロマトグラフィー

 先日、3年前に卒業したTさんが学校に立ち寄ってくれました。食品の原料を造っている会社で働いているのですが、学校の近所にある分析機器メーカーで研修があるとのことで、顔を見せに来てくれました。研修内容は、食品分析の前処理だそうです。
 食品には色々な物が含まれており、形状も様々です。そのままでは分析できないので、分析できるように妨害物を取り除いたり形状を変えたりするのが前処理です。正確な分析のためには非常に重要であり、専門技術が必要となる操作です。
 Tさんはガスクロマトグラフィーを用いた分析を担当しており、最新の前処理技術を身に付けるために研修を受けるそうです。Tさんによると、同じ部署には大学を卒業した人もいるのですが、数多くの機器を使い、様々なものを分析した経験がないそうで、Tさんが新しい技術を導入する役に選ばれたそうです。
 確かに、大学では一人一人の学生が扱う分析機器の数や実験の種類は、さほど多くありません。実験の時間が多い本校の方が、より多くの経験を積むことができるわけであり、Tさんは実践的な技術を身につけている若手として、会社の中で信頼を得ているわけです(写真は本校にあるガスクロ装置です)。
 Tさんによると、近年、食品業界で様々な事件があり、品質管理がますます重要になっているそうであり、食品分析の仕事がどんどん増えているそうです。お客様に信用していただける商品を提供するために頑張っているTさん。ひょっとして、皆さんが口にしている食べ物も、Tさんが分析したものかも知れませんね。
by水の都