新たな仲間と去りゆく仲間

112番目の新たな仲間

先日、112番目の元素に正式名称がついた、とのニュースがありましたが、ご存じでしたか?
今までにも多くの新しい元素を作り出してきた「重イオン研究所(GSI)」というドイツの機関で、鉛と亜鉛を高速で衝突させて作られたこの元素は、その後、ロシア(ОИЯИ)や日本(理化学研究所)でも実験が行われて、あらためて存在が確認されていました。

正式名称が決まるまでは、112番目の元素ということで、ウンウンビウムと呼ばれ、元素記号は「Uub」と3文字で表されていました。「ウン(un)」は「1」、「ビ(bi)」は「2」を意味します。ナトリウムやアルミニウム、カルシウムなど元素名を表す語尾「〜イウム(-ium)」を組み合わせて、「元素1・1・2」ということになります。

さて、本校の玄関の階段は周期表になっています。この周期表、先日までは、Uubの場所には名前が入っていませんでした。

この度、Uubに正式に名前が付いたので、この周期表にも早速仲間入りしてもらいました。

112番目の元素、「コペルニシウム」(元素記号はCn)の登場です!

コペルニシウムは、地動説を唱えたコペルニクスから名前がとられています。コペルニクスの時代は、地球の周りを太陽を初めとする天体が回っていると信じられていた時代です。地球が太陽の周りを回っているという、今では当たり前の考え方は、当時は「聖書の記述に背く異端の考え」とされ、コペルニクス自身、生前は地動説を公表できなかったそうですし、その後もコペルニクスの記した地動説の本は発禁処分になってしまいます。その後も、ガリレオが地動説を広めようとして有罪になるなど、異端視されていました。文字通り、天地がひっくり返るような学説だったのです。そして、コペルニクスの功績をたたえ、この度112番目の元素名に採用されたそうです。

去りゆく仲間

明後日、13日は、本校と姉妹校(環境学園専門学校)の合同卒業式です。

112名、ではないですが、本校からは約80名の学生が巣立っていきます。
去っていく、とは言っても、彼ら・彼女らにとっては、新しい世界への旅立ち、でもあります。

企業で分析化学者として働く人、大学へ進学し研究者を志す人、様々な新しい世界が待っています。

この二年間で身につけた技術や知識、そして人間力を発揮し、頑張ってほしいと思います。



また、現在は就職活動を頑張っている一年生も、一年後には同じように旅立っていくのですよね。

一年間って、子供の時は長く感じましたが、大人になると段々短く感じるようになっていきます。
これは、自分が生きてきた今までの時間を基準に比較するので、年齢を重ねるに従い短く感じるようです。


今は、履歴書を書いたり、合同説明会に行ったり、面接試験を受けたりと忙しいですが、無事に来年の今を迎えてほしいな、と思います。



by 八兵衛