小さな一歩が大きな進歩に繋がる卒業研究

毎週、土曜日・日曜日に少人数制で分析化学の技術を修得するために開講している化学分析コースも先週はお盆休みでした。学生達はそれぞれの休暇を過ごして、気力体力ともに充実して登校して来ています。化学分析コースの学生の中には、既婚者もいますので、家族サービスで大変でしたと言う声も聞こえましたが、家族と過ごす時間が、彼らにはエネルギーになっているようです。
さて、今週の化学分析コースは土曜日・日曜日と続けて実験のある週でした。特に2年生は卒業研究を2日続けて実施できるとあって、集中して実験をしようとあれやこれや実験試料を持参して来ました。私の担当するグループも、納豆・モロヘイヤ・メカブなどを持参してきています。
彼らは、これらの材料から水質汚染を解消したり、工事車両が泥を運搬するのに役立つ物質を見つけて行こうと考えています。納豆に含まれるポリグルタミン酸には、水質浄化の働きがあることは分かっていますが、もう一つの目的を果たせるかは判りません。水質浄化についてもごく少量ではどの程度の効果を果たすのか未知数です。
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昨日・今日と実験をしている中でポリグルタミン酸が重金属をどれだけ除去するかを検討し、その結果を足がかりに、他の物質の実験を展開しようと考えていたのですが、思わぬ結果が出ました。実験を始める前は重金属の含有量が半分以下になればいいなぁ、と思っていたのに、試してみると重金属の含有量がゼロに近い値にまで低下していました!
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これにはグループのメンバーも驚きました。口々に「すごい」「ここまでの結果になるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子です。しかし驚いているだけではなく、「前回、pHが低かった時は効果低かったけど、こんなに変わるものなんだ。」などなど口々にこの現象に対して考察を行ない、次にどう展開をするかを検討しはじめていました。
入学前には、化学的に現象を考察できる学生は少なかったと思いますが、1年半でぐっと成長したことが感じられました。今週の結果は彼らの実験にとって大きな収穫でした。
また来週からの実験にむけて検討を進めていきましょう!

by ドラ一郎