土曜日・日曜日のみ通学して化学分析の知識・技術が修得でき、また平日の学科・コースと同様に卒業も可能(卒業時に取得できる資格も取得可能)な化学分析コース。このコースは、定員20名の少人数制で、キャリアアップやスキルアップ、国家資格の取得、転職などを目的とした社会人や大学生が通学しています。

昨日は台風12号による暴風警報発令のため、化学分析コースは全日休講となりましたが、本日は通常通り!京阪神地域だけでなく、全国各地から学生が通学してきました。昨日は殆どの学生が自宅で期末試験の準備や、実験レポートの作成など、時間を有効に活用したようです。本日は、午前に前期期末試験、午後からは実験(1年生)・卒業研究(2年生)。午後から、実験室の様子を覗いてみました。

納得のいく値がでるまで!

本日の1年生の実験は、8/27のブログで紹介しました定性分析ではなく、調べたい成分が「どれだけ」含まれているかを確かめる「定量分析実験」です。今日の中和滴定とは別の操作を行う学生が複数名いました。

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実は、先週・先々週の日曜日、2日間に渡って行われた鉄の定量分析の値が、納得できる値ではないということで、本日の実験の隙間を利用して続けているのです。この実験は、溶液化された鉄分にアルカリ性の薬品を加えて沈殿させ、その沈殿を乾燥・強熱させて、酸化第二鉄という組成が一定の化合物にし、その重さから鉄分の量・濃度を確かめるもの。同じ操作をして量った重さが連続で±0.0003g以内にならないと、正確に重さを量ったことにはなりません。これって容易なことではないのです。通常であれば時間の制約もあり、±0.0003gの条件を満たせないこともありますが、化学分析コースではちょっとした隙間の時間を利用して、トコトン正確な値を追求できる、これも少人数制だからこそ!だと思います。この後、±0.0003gの条件を満たせたO君は・・・
『やっと正確な値を求めることができました。ものの重さを量ることが、これほどシビアなものだとは思いませんでした。』 と、ホッとした表情で話してくれました。

機器を使わずに界面物性の測定?(卒業研究より)

2年生の卒業研究が、着々と進んでいることはドラ一郎先生のブログ記事からも紹介されていますが、今日はあずみ(私)も良い勉強をさせていただきました。

ん?一体、何をしているのだろう・・・。と2年生のN君に聞いてみると『洗剤の洗浄効果(界面活性作用)を測定しています』とのこと。顕微鏡に使うスライドガラスの上に油を塗り、洗剤を少量滴下して、その画像を真横から撮影しているようです。

固体上に液体の雫(液滴)がある時にその接触角度を測定することが洗浄効果の評価にもなるとのこと。同じ手法で、傘やゴム手袋の撥水性の評価などもできるようです。これを自動で数値化する機械もあるようですが、撮影画像から接触角度を測定する方法を採用した理由は・・・
『何をしているのか、その原理や考えがよく解ります。オートメーションで数値のみを返す機器を使うよりも、勉強になります。』 ちなみに、本校の卒業生が勤務する企業の文献を参考にしていると教えてくれました。

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彼らの卒業研究は、洗浄作用を有する天然物を探求することです。基礎データをしっかりとって、研究目的を達成して欲しいと強く感じた一時でした。


by あずみ