習うより慣れよう!〜実験結果からの構造解析〜

週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、化学分析の知識・技術が修得でき、平日の学科と同様に2年間で卒業できる(卒業と同時に取得可能な国家資格も全員が取得できる)化学分析コース。このコースは、定員20名の少人数制で、転職や再就職、難関国家資格の取得、技術職へのキャリアアップや、現職でのスキルアップ等を目的とした社会人や大学生が、今日も全国各地から通学しています。

今日は実験がない授業だけの一日でした。しかしながら、実験と全く離れてしまうことは一日もありません。1年生の授業(機器分析法)を少し覗いてみましたので、その様子を紹介します。

分析機器には色々な種類があります。物の中に何が含まれているのかを調べる定性分析、特定の成分がどれだけ含まれているのか調べる定量分析、その物質がどのような形をしているのかを調べる構造解析・・・、分析機器にもそれぞれの得意分野があります。

今日は、ドラ一郎先生のブログ(化学分析コースの卒業研究の紹介 )で以前に紹介されていました、定性分析及び構造解析を得意とする機器、「赤外分光光度計」がテーマでした。原子同士の結合は硬く固定されているわけでなく、バネでつながれているように柔らかい結合をして振動しています。物質に赤外線を当てるとこの振動が大きくなり、そのときに吸収されたエネルギーの量を測定することによって、結合の種類(官能基)を知ることができます。今日は、その測定結果(スペクトル)から、その分子の構造を解析する演習が行われていました。

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1年生は前期に、解熱鎮痛剤の主成分であるアスピリン(アセチルサリチル酸)を合成する実験を行っています(ブログでは紹介していません)。下の写真はその実験での、代表的なシーンです。

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その際に、本当にアスピリンができているかどうか、この赤外分光光度計で調べました。

その時点では、スペクトルの形が変わったことを確認する程度の解説に留めていましたが、今日の授業ではドラ一郎先生から詳しく説明していただきました。

授業後にY君から感想を聞くと、『有機化合物の性質を決める官能基の種類がこのスペクトルから解ることに面白みを感じました。まだまだ、データ集を見ながら解析しているレベルですが、特徴的な部分はしっかりと復習して押さえたいと思います』とのことでした。

有機合成などのものづくりにおいて、目的とする物質ができたのかを確認する際など、頻繁に使用される赤外分光光度計。スペクトル解析には慣れが必要です。Practice makes perfect!(習うより慣れよう!)の精神でガンバリマショウ!

by あずみ