「あれ」と「これ」を足し合わせると…?

今日は2年生の有機テクノロジー学科・
3年生の医療からだ高度分析学科の実験を紹介します。

「ある物質」と「ある物質」を足し合わせることで、
それら2つの物質とは全く違う「新しい物質」を創る化学のことを、
「合成」といいます。
今日はその合成を行う実験でした。
2班に分かれて、それぞれが別の物質を「合成」する実験を行いました。

こちらの班では、
「酢酸エチル」という有機溶剤を合成する実験を行っています。
酢酸エチルは、接着剤や塗料を溶かすのによく用いられる、
独特の甘い匂いのする成分で、
皆さんも日常生活の中で一度は触れたことのあるものです。

その原料は、なんと「お酢」と「お酒」なんです。
食酢の中に含まれる酸味成分である「酢酸」と、
お酒のアルコール成分である「エタノール」を足し合わせて、
酢酸エチルは作られます。

(これが酢酸エチル)

そして、これが本当に酢酸エチルなのかを確認し、
その純度を調べるために、
今回は「ガスクロマトグラフ」という装置も使用しました。
実は1年生の後期に、
この装置について実験もしながら学んでいます→昨年の10月30日のブログ)。
その時の経験と知識が2・3年生になって、
改めて活かされたということになります。

医療からだ高度分析学科3年生のN君が率先して分析を行っています。
「自分たちで合成したものを、自分たちで分析する」というのが、
この実験の面白さです。
「1年次に学んだことが活かせたのがうれしいです」と話す学生が多くいました。

もう一方の班でも、
医薬品、化成品の原料になる成分を合成していました。

透明な3つの液体を足し合わせると…、

こんな黄色い固形物が!
もう見た目からして、全くの別物です!
実験に積極的に取り組んでいた2年有機テクノロジー学科のO君も、
思った以上の変化に驚いている様子でした。

しかし、そんな中でも、
医薬品業界に内定が決まっているT君には、
まだまだ物足りない様子。
「理論的にはもっとたくさん作れるはずだったのですが…。
量が減った原因を考えます」と、
さらに貪欲に、より良い結果を求めていました。
こうして、実験一つ一つをクリアし、みんなレベルアップしていくのですね。