個の力を伸ばして臨む卒業研究

本校では、8月1日から夏期休暇期間に入りましたが、
学生は、それぞれ目的を持って登校しています。

特に、夏期休暇中は、本校講義棟の3階にある
コミュニケーションルームを利用する学生が多くいます。
ここには、図書やパソコンなどが設置されており、
自習をしたり、履歴書を書いたり、
グループでの話合いをしたりと、
いろいろな学生が利用しています。

少し覗いてみると、設置されている図書の中から、
分析や化学の専門書を引っ張り出して勉強している学生がいました。
勉強をしていたのは、生命バイオ分析学科、2年生のYくんです。

何を勉強しているのかと尋ねると、
「後期から始まる卒業研究の準備です。
 卒業研究では、これまでに習ってきた分析方法や
 それを少し応用した技術も使います。
 新しく実施する分析方法は、既に知られている技術ですが、
 原理の理解ができていなかったので、
 夏休み中に理解しておこうと、勉強しています。」

と、少し照れくさそうに話してくれました。

Yくんが話してくれた卒業研究ですが、
2年制学科の学生は、後期に実施されます。
本校の特徴としては、個人で行うのではなく、
数人でグループを作って行われます。
だからと言って、他人任せにしていては、
実験もスムーズに進みません。
個々に実験内容を理解して、互いに補い合って、
同じ目標を目指して臨むことで、効率良く進みます。

とは言っても、
入学時に実験器具や試薬を扱った経験のない学生も多いです。
そのため、入学時から行われる基礎的な実験や授業を通して、
少しずつ分析の知識や技術を身に付けていきます。
そのため、2年生のこの時期になれば、
入学時にはサッパリ分からなかった
分析機器やその原理などについても理解しています。
今回の卒業研究で新しく取り組む分析方法についても、
イチから理解するのではなく、
これまでに習った基礎知識の応用であるため、
勉強を進めるコツも分かっているのです。

既に、卒業研究テーマの決定や、実際に行う実験方法、
使用予定の試薬や器具などの抽出は、前期の間に終えています。
そのため、後はスケジュールを考えながら、
できるだけの準備をして、後期を迎えるだけです。

それでも、実際に実験をスタートさせれば、
思うように結果が出ない時もあります。
その時に、このように勉強していたことが
生かされるのだと思います。

Yくんは、本校へ入学するまで、
「入学してから本当にやっていけるのだろうか」と
考えに考え抜いて本校を選択しました。

私、ぽてとは、Yくんの入学時から担任をしていますが、
授業や実験で分からないことがあれば、
いつも質問に来ていた1年生のYくんの姿を思い出します。

この1年半で学んだ知識や技術を、
総まとめとして、卒業研究にぶつけてもらいたいと思います。
そして、この夏期休暇中に準備し、蓄えた知識を生かして、
少し悩んだ時には、まわりの友達とも知識を出し合って、
納得のいく結果を出してもらいたいと思います。

By ぽてと