予備試験は終盤!化学分析コースの卒業研究

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

本校では、講義を中心に理解力を深め、実験で実務に必要な判断力が身に付くように
カリキュラムを編成していますが、それらの成果を実践する場として「卒業研究」を
実施しています。卒業論文の提出卒業研究発表会(リンクは昨年度の様子です)と
いう最終段階までには様々なプロセスがあります。現在、化学分析コースの2年生は
この卒業研究における予備試験の大詰めに入っていますので、その様子を紹介します。

私(あずみ)が指導を担当しているこのグループは、身の回りにある価値のない物を
循環資源として利活用しようとしています。例えば、カフェやコンビニエンスストア
ハンバーガーショップなどで廃棄される「コーヒーかす」を水質浄化や土壌改良等に
利用できる炭素材料に生まれ変わらせるという内容に取り組んでいます。

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単に炭(炭素)にするだけなら、コーヒーかすを焼くだけでよいのですが、環境中の
汚染物質を除去できる機能を持たせるために、コーヒーかすを浸け置く溶液の選択や
その焼き方、さらにその時間や、温度などの最適条件を見出さなければなりません。
その条件を見出すのが予備試験、その後は本格的な研究へとステップアップします。

Tさん(写真左側)に聞くと、
 『水質汚濁物質にも色々ありますが、今年の4月に水道水の水質基準に追加された
  亜硝酸態窒素(発ガン性や乳幼児の酸素欠乏症の原因)を除去できる炭素材料を
  作り出したいと考えています。家庭向け浄水器への利用などを想定していますが、
  この汚染物質はアオコや赤潮の原因にもなるので、その対策にも応用できればと
  思います。予備試験で良い結果を出して、本格的な研究へと進めていきたいです。』

研究目的に近づくための予備試験は終盤のようです。限られた時間での研究ですから、
無駄のないように、引き続き頑張りましょう!

by あずみ