卒業研究テーマの検討がスタート!

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

さて、化学分析コースの授業も3週目に入りました。1年生・2年生ともに今日から実験が始まり
2年生はその実験前に、7月下旬からスタートする卒業研究に関するガイダンスを実施しました。
化学分析コースの学生も約半年間かけて卒業研究に取り組みますが、研究内容やグループの決定、
実験方法のフローの作成、使用する器具・試薬のリストアップ等々、今から準備を進めていきます。

今日は、卒業研究に関する全体的なスケジュール説明と、研究テーマを選定するための参考として、
このコースで卒業研究を指導するM先生と、担任のみなと先生の専門分野及び研究テーマについて
プレゼンテーションを実施しました。この3月に卒業した先輩の卒業研究発表会から、それぞれが
どのような研究に取り組みたいかを考えていましたので真剣に説明を聴いていましたし、その後は
具体的な内容について多くの質問がありました。卒業研究が充実した取り組みになるかどうかは、
研究テーマの決定とその研究目的に左右されますので、今が一番大切なステップの一つになります。
よく考えて、テーマを選定して欲しいと思います。

卒業研究に関するガイダンスの後は、2年生初めての実験「機器分析実験」です。今日は、実際に
環境分析を事業活動とする環境計量証明事業所等でも使用されている分析マニュアル「JIS法」に
基づいて、未知試料中の鉄の濃度を紫外可視分光光度計で測定しました。

やはり、1年次の実験を積み重ねてきた2年生ですから、試薬溶液の調製や、検量線測定の準備、
発色操作、分析機器の取り扱いなどの手際が良く、それぞれが果たすべき役割を見つけてテキパキ
こなしていました。1年次に原理などを授業で学び、実験では基本的な取り扱い方を修得している
「紫外可視分光光度計」の取り扱いについても、一つひとつの注意点を良く覚えています。ただし、
分析結果が正しいかどうかが重要ですので、このチェックは実験レポートで確認しようと思います。

実験後の学生の感想です。

  『2か月ぶりの実験だったので、器具などの操作がきちんとできるか、少し不安も
   ありました。本日の実験で、1年次に学んだことをしっかり思い出すことができ、
   良かったです。分光光度計は1年次にも使用したことがありますが、注意点等を
   聞いて、新たな知識や技術を修得することができました。』(M君:上の写真)

  『1年次に金属の測定方法として、原子吸光光度法やキレート滴定法を学びました。
   今回、鉄の測定方法として、このような方法があることを知り、金属を測るにも、
   様々な方法があることが分かりました。対象となる試料や、実験環境に合わせて
   分析方法を選択する必要があるので、今後もしっかり学んでいきたいと思います。』
   (T君:上の写真)

2年生は、1年次に修得した知識・技術を基礎とした、実務的な実験が本格的に始まりました。
それと平行して、本校での学びの集大成となる卒業研究の第一歩を踏み出しました。新年度は
始まったばかりですが、特に2年次はあっという間に時間が過ぎていきますので、一日一日を
大切に過ごしてほしいと思います。

by あずみ