少しずつ慣れてきた卒業研究

本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」
があり、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や
自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った
学生が在学しています。

このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コースは、1学年あたり
の定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者の国家資格
も卒業と同時に全員が取得することができます。


先週はお盆ということもあり、化学分析コースも夏休みでした。
そのため、本日は約2週間ぶりの卒業研究が行われました。

卒業研究とは、これまでに学んできた分析化学をはじめとする化学の知識や技術を復習し、
より深く修得すると同時に、研究の進め方や実試料の扱い方などの仕事の現場で役に立つ
実務的なスキルを学ぶ機会でもあります。
そこで、本校では卒業学年である2年生、4年生が、学びの集大成として卒業研究に
取り組み、2月の卒業研究発表会で成果を発表します。

この卒業研究発表会は学校に求人をくださる企業の方や保護者の方をはじめとして、
一般の方にも広く公開しております。
発表会が近づきましたら、本校ホームページで参加の申し込みの仕方などをお知らせ
致しますので、興味を持っていただけましたら、ぜひご参加ください。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)

2週間ぶりとは言え、卒業研究は本日で5回目なので、学生たちも実験操作には慣れてきた
様子です。
准講師(非常勤)のM先生の卒業研究班は、各自が持ってきた植物の葉に含まれる金属の
濃度を調べています。
それぞれが持ってきた葉を前処理して、試料溶液を調製しています。


原子吸光光度計(溶液中の金属の濃度を測定できる分析機器)の操作も各自で行える
ようになってきました。

私みなとの卒業研究班は、カレー粉の成分によるアミラーゼ(唾液中に含まれる消化酵素)の
活性(酵素の働く能力)の変化を調べています。

現在は実験条件を決めるための予備実験を行っているので、条件を変えた試料がたくさん
あります。そこで、実験操作を分担して、効率良く実験を進めています。

本日の実験が終了した後で、学生に感想を聞くと
『これまでの実験では実験テキストがあり、そこに実験操作や測定条件、注意すべき点など
が書いてありました。これに対して、卒業研究にはテキストがないので、自分たちで調べた
ことや実験中に先生から教わったこと、実際に行った実験の操作や条件をノートに書いて
おくことがとても重要だと実感しました。』
『前回同じ実験を行った時は要領を得ないところも多くあり、試薬調製から測定まで
2日間かかってしまいましたが、本日は1日で終えることができました。班員全員が
実験に慣れてきたこともあると思いますし、どうすれば効率良く進められるか、相談
しながら進めたことも良かったのだと思います。』
と話してくれました。

卒業研究に少しずつ慣れていく中で、大切なことに少しずつ気がつき始めています。
気がついたことを実践して、しっかりと修得していってほしいと思います。
そして、来年2月の卒業研究発表会の時に、大きく成長した姿を見られることを
楽しみにしています。

by みなと