正確な結果は正しい器具の使い方から!

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

化学分析コースの1年生は午後から、定量分析実験に取り組みました。今日の実験は
先日のブログで紹介しました「重量分析」の二日目です。前回、溶液中の鉄を沈殿に
変えましたが、今回はその沈殿をろ紙ごと坩堝(るつぼ)という器具に移して徐々に
加熱していきます。最終的には約1000℃で加熱して組成が一定の化合物に変え、その
質量を電子天秤で測定します。このように測定したい成分の質量を直接天秤で測定
できる唯一の分析手法ですが、それだけに繊細な操作も少なくありません。

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このように新しい実験に取り組むと、今まで使用したことのない器具類を取り扱う
シーンがでてきます。実験に向けたガイダンスでも説明は行いますが、それ以外に
本校の教員で執筆したテキスト「分析化学のべからず171」が活用されています。

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“してはイケナイ”禁じ手とその理由等について説明していますので、学生たちは
先生の説明に加えて、このテキストで実験器具の取り扱い方の注意事項が理解でき、
安心して実験に取り組めると話していました。

分析化学の実務では、正しい分析結果を提供することが求められます。そのためには、
一つひとつの器具類を正しく取り扱うことが必要不可欠です。授業や実験を通して、
知識や技術を着実に修得してほしいと思います。

by あずみ