群青の溶液が糸に変身

bunseki2007-07-13

化学の楽しさは、なんといっても目の前で化学反応が起こって新しい化合物が出来ることです。特に色の変わる反応は、反応したことが目に見えるので楽しさ倍増。

今日の有機合成化学実験は、そんな反応の一つであるレーヨン(銅アンモニアレーヨン)の合成でした。レーヨンという名前よりも、キュプラやベンベルグという商品名の方が有名かもしれませんね。

レーヨンの合成方法には複数の方法がありますが、今日の実験では、銅アンモニア錯体溶液(シュバイツァー溶液)を使った方法で合成しました。シュバイツァー溶液に原料である脱脂綿を入れてかき混ぜると、脱脂綿のセルロースが分解してきれいな青色の液体になってしまいます。ちょうどラピスラズリの群青色です。これを薄い硫酸の中に注射器を使って押し出すと、銅が化学反応により抜けて青色がだんだんと白くなりレーヨンが出来上がります。

写真は、出来たてのレーヨンです(手タレは、Iさんにお願いしました)。レーヨンからイメージされる糸に比べるとちょっと太めですが、化学的にはまったく同じものです!

実験としては、ここで終了ですが、その先の視点に立ち、化学的組成や合成原理は同じでも工業製品とするためにはさまざまな工夫がされているのだと感心していました。

ちなみにレーヨンをフィルム状にした物が、セロファンです。粘着テープや包装材としてお馴染みですね。

by めざせ!関西人