教員の前に積み上がる実験レポート

 ちょうど二週間前のブログで、実験に楽しく取り組む学生のお話を書かせて貰いました。しかし、実験は「やりっ放し」ではすみません。本校は、実験レポートの提出を学生に義務づけていますが、この際、教員と議論してレポートの質を高める機会を設けています。それが、本日の「レポート日」となります。

 彼らは五月に入ってから、食品分析化学のカリキュラムで四種類の実験にチャレンジし、今日までに四種類の実験レポートを作成しています。ただ、最初から完璧なものが書けるわけではありません。相手を説得する「報告書」どう書くか、実験データの処理や解釈が妥当か、などの観点から、様々な改良点を抱えることになります。そこで、今日のようなレポート日を丸一日使い、教員と学生が一対一でレポートを改善します。

 一般に、実験は楽しいけど、レポートはしんどくて面倒くさいというのが、学生の正直な感覚でしょう。しかし、レポートを完成させるまでが実験だとも言えます。遠足の帰りのバスなんかで「いいか、この後、学校に着いて、解散して家に帰るまでが遠足だぞ!」と先生から注意を受けた経験が、皆さんにもお有りでしょうが、全く同じですね。

 一方、レポートの問題点をあぶり出して一人ずつ説明する教員にとっても、今日はタフな一日です。次々と学生がやってきてレポートを私の目の前に積み上げ、指導の順番を待つ訳です。時折、学生が自分の順番を確認しながら「先生、まだですか?」とプレッシャーを掛けます。「まあ、待て待て」と制しながらチェックを進める訳ですね。



 今日集まったレポートは、私のバイブル「生化学事典」よりも分厚くなってしまいました。学生の努力の結晶です。

 by しめじ