分析化学の色々な「炎」!

・色々な炎や加熱装置が分析化学を支えています!

定期試験も明けて、今日の1年生は久しぶりの定量分析実験でした。定量分析実験は、試料などに含まれている色々な金属イオンや分子成分の「量」を分析(何がどれだけ含まれているか)する実験です。まさに分析化学の基本とも呼べる今日の実験、今回は「炎」に注目してみました。太古の昔、「炎」が発見されることで人類は今に至る文明を築いてきたわけですが、その文明を支える炎は、もちろん私たちの分析化学も強く支えてくれています。


I君とT君がポーズを決めてくれているその下にある白い変わった形の入れ物、これは「マッフル」といって、その中でセラミックの容器を強く加熱する事ができる装置です。加熱する事で、汚れなど不要な物質を除去できるのです。こうしてマッフルによってクリーニングされた容器を使って、今回は鉄の分析を行うようです。


奥のドラフトの中にあるのはホットプレートです。ここでは「炎」ではなくホットプレートを使用して、試料を加熱しています。有害なガスを発生する事が想定される時は、このようにドラフト(換気装置)の中で、「炎」を使わずに加熱します。


ここでは普通にバーナーを使って溶液を加熱していますね。溶液中の反応を速くさせるために加熱しています。

そして、定量分析実験から飛び出して、今度は2年生の生命バイオ分析学科の卒業研究を見てみましょう。

実験の内容が変わっても、やっぱり「炎」は各所で使われていました。この写真では炎は非常に見えにくいのですが、バーナーからは青々とした炎が出ています。火があると、その火の周りには空気の「対流」ができます。その対流の中は、実は外からの雑菌が入らない簡易的な「無菌室」のようになっているんです。ここではその対流の中で、外からのほこりや雑菌を嫌う操作を行っていました。うーん、いかにも「バイオ」と言う感じですね。

そして後ろから撮ったこの炎も、菌を滅菌するために使われていました。菌が混ざらないように、一つ一つの操作ごとに滅菌しています。

今日写真を撮っていると、1年生のKさんから「ブログですか?」と話しかけてきてくれました。多くの1年生は「せんせのブログ」をチェックしており、実験のあった日は自分が写真の中に入っていないか、自分の写真が採用されているか確認をしてくれているそうです。教員それぞれに個性があると、評してくれました。いや、これはブログの更新にもなかなか気合が入りますね…。私にとって、とても嬉しい情報でした。他に写真に協力してくれた学生のみなさん、いつも本当にありがとうございます!他にもいろんな炎があったんですけど…、採用されなかったみんな、ごめんなさい…。

・卒業研究中間報告会の準備、ここでも分析化学の「炎」が…
昨日は2年生の卒業研究中間報告会が実施されました。2年間の集大成となる卒業研究。その中間時点での結果報告を行ってくれました。中間報告会といっても、研究を発表する場には変わりがなく、どの班も来年2月の卒業研究発表会を想定して、綿密に準備を進めていました。学生と教員がまさに、「炎」をメラメラとだして、真剣な議論をしていました。

また今日は、昨日に発表が終わった班が、その発表内容についての意見や反省点を聞くために、ボヤッキー先生を囲んでいました。

発表ももちろん大事ですが、むしろ発表が終わったあとが大事。こうして自分たちの研究の改善や方向性の修正を行うことも中間報告会の目的の一つです。いろんな先生や学生から、たくさんの意見をもらえたようです。是非ともこの「収穫」を糧に、2月の発表会、実りあるものにして欲しいです。


by あおひげ