医薬品をつくる!この経験がみんなの力になる

・医薬品の原料を合成!有機テクノロジー学科最大の特色

 今日は有機テクノロジー学科2年生の実験、「医薬・食品成分実験」を紹介します。前回はレポート日のため実験ができなかった彼らですが、今日はまた実験再開です。ゴールデンウィークの合間ですが、学生たちは今日も元気いっぱいです。

 今日の実験では、医薬品の原料となる「アセトアニリド」という物質を「つくる」実験です。元々は透明、または薄い黄色をした2種類の液体でしたが、この2つの液体を混ぜ、「触媒」と呼ばれる薬品を加えると、一気に白色の固体が…。ビーカーの中身は、もともと透明な液体だったとは思えない真っ白な状態になりました(写真では氷水に浸かっているビーカーがそうです)。

「触媒」とは、化学反応を促進させる薬品のことで、ただ混ぜるだけで反応を進行させ、目的とした白色の「アセトアニリド」を効率よく作ることができました。

 「分析化学」は、物質を細かく細かく「分けて」調べる化学ですが、この有機テクノロジー学科では、逆に物質を足し「合わせて」まったく新しい物質を作る「合成」という技術を学びます。昨年ノーベル化学賞を受賞した日本人化学者、鈴木さん・根岸さんもこの「合成」の技術で世界を驚かせました。

「新しいもの」をつくる実験、やはり楽しいようで、みんな細心の注意を払いながらもあちこちで笑顔がこぼれていました。みんなが楽しく身につけているこの合成の技術、知識が、今後の卒業研究、そして卒業後の職場で活かされるのです。

・つくった物質を「分析」!「合成」と「分析」両方がこの学科の柱


 合成された物質が本当に目的とした物質であったかを「分析」します。この白いシートは「薄層クロマトグラフィー」という操作を行っているところです。この操作は、まさに今の1年生の「基礎化学実験」で身につける技術です。今回合成した物質には色は付いていませんが、この白いプレートの上にのせて、特殊な紫外線をあてると…、紫色に発色しているように見えます。この紫色の部分に試料がのっています。このスポットによって、分析を行います。
 1年生が今実験で学んでいる技術が、2年生になってから「応用編」として活用されます。このようにして「分析」の技術も着実に身につけていけます。

 楽しみながら、たくさんのことを学んで、みんなそれぞれの夢をかなえていってほしいと思います。


byあおひげ