道頓堀川で泳いでも大丈夫?〜道頓堀川水質調査〜

 今日は、本校の環境委員会が主となって行う、道頓堀川水質調査が行われました。
道頓堀川とは、大阪の街を象徴する川の1つで、阪神タイガースが優勝したときにファンが飛び込む川としても有名です。本校では、学生主体の委員会活動の1つである、この環境委員会が、「道頓堀川は本当に泳いでも大丈夫なのか?」と、水質の調査を毎年行っています。

 環境委員会では、この他に学校の前にある南天満公園の清掃を行ったり、プルタブを集めて車椅子を寄贈する活動を行ったり、環境活動に取り組む施設や企業を訪問し、勉強をしたりしています。その中でも道頓堀川水質調査は力を入れている活動の1つで、メディアにも何度か紹介され、注目されています。過去の調査結果についても、こちらで掲載しているため、興味のある方はご覧下さい。(http://www.bunseki.ac.jp/dotonbori.html

 水質調査に燃える学生達の内、サンプリング道具を持っていく5名の学生が朝の8時に学校に集合し、出発しました。

 1年生は、初めてのサンプリングに少しウキウキしていましたが、2年生は、自分達が引っ張って行かないといけないという、ある種の使命感を持ちながら、引き締まった表情で出発しました。

 
 最初のサンプリング場所である、道頓堀橋の上で、さらに数名の学生と合流し、貴重なサンプルを採取しました。今回は、今年度初めてのサンプリングなため、2年生が1年生にいろいろとサンプリングの注意点を教えながら、作業をしていました。通り過ぎていく街の人からは、何をしているのかと不思議な表情で見られていましたが、学生達は黙々と貴重なサンプルを採り、データを集めていました。

 そのころ学校では、サンプルの受け入れ部隊が準備を整えて待っていました。
そして、持ち帰られたサンプルを新鮮な内に処理するため、集まった学生全員で協力し、一気に微生物検査やBOD測定、濁度測定の処理を行いました。と言っても、ここでも1年生は初めての経験なため、2年生の指導のもとで1つずつ確実に処理していました。

 ここで参加していた1年生を紹介しましょう。
 下の写真の右側の資源分析化学科のWくんは、大学で情報系の勉強をして卒業し、社会人を経て本校に入学してきました。

 社会人として働きだしたものの、これから先のことを考え、今までとは違う勉強をして、新たな技術を身に付けたいという思いがあったようです。今回の道頓堀川水質調査には、将来、水などの環境分析を仕事とする職に就きたいという思いから、少しでも経験するために参加したそうです。

 また、下の写真の中央で滴定を行っている、1年有機テクノロジー学科のHくんは、高校を卒業してすぐに本校に入学してきた学生です。

 高校時代は、微生物の勉強をしていたようです。しかし、本校に入学するときには、得意とする微生物やバイオテクノロジーをさらに勉強できる生命バイオ分析学科ではなく、分析と合成を勉強できる有機テクノロジー学科に入りました。本当は得意ではない化学の勉強をしっかりとすることで、自分の幅を広げたいと思ったようです。そのため、今回の水質調査では、微生物検査班ではなく、BOD測定班で、滴定をしていました。


 今回は、今年度初の道頓堀川水質調査なため、昨年度までは教えられてきた新2年生が、後輩の新1年生に指導する初めての機会でもありました。教員としては、どうなることかと思いながらも、学生主体の活動なため、傍らからチラチラと見守っていました。しかし、終わってみれば、その心配も無用と言わんばかりに、2年生は1年生を引っ張り、後輩にしっかりと技術を引き継ごうとしていました。このタテの繋がりができることも、この活動の良いところで、学生達をまた1つ大きく成長させていきます。

この水質調査は、まだ続きます。1年生、2年生共にどのような姿を見せてくれるのか楽しみです。

By ぽてと