今日の実験室は磯の香り

連日このブログでもご紹介しているように、学生たちの卒業研究準備も着々と進みつつあります。昨日も登場した「大阪のにおい研究チーム」は粉もんや串カツのにおいを分析していましたし、こちら化学分析コースの学生は納豆の成分を用いた水質浄化について検討していました。本校で行っている「分析」の対象は、食品、環境、医薬品、材料、金属・・・とそれこそ地球上のあらゆるものということになりますので、学生の卒業研究の題材もそれこそバラエティに富んだものになります。今日卒業研究の準備のために登校した研究チームは、なんとあの青ノリの代用としても用いられている「アオサ」を用いた研究をするということでしたので、ちょっと取材してみました。
(写真はそのメンバーです。今日はメンバーの一部のみの活動となりました。)

今日の彼らに近づくと、「プ〜ン」と濃厚な磯の香りが漂ってきました。いったい何をしているのかと聞くと、実験に使用する「アオサ」をサンプリングに行って戻ってきたところ、ということでした。彼らが行おうとしている研究は、アオサを用いて、人体や環境に有害な金属、例えば、鉛や銅、カドミウム亜鉛を取り除いてくれる、安価で効率の良い濾過フィルターを開発しよう!というもの。実は先輩たちも過去に取り組んだこの研究を完成させるべく、材料となるアオサを今日は獲りに行っていたのでした。
その時の様子の写真を学生たちにもらいましたので、以下に掲載します。サンプリングの場所は、大阪南港野鳥園。この施設の方のご協力もいただき、無事、大量のアオサをゲットしたのでした。


解析自体は実験室で行うことが多い、化学者。彼らもこうした久しぶりのフィールドワークは刺激的だったようであり、「どうだった?」の私の質問には、「楽しすぎてヤバかったです」「実験室での実験も好きだけど、今日は久しぶりに自然に触れて、小学生に帰った気分でした(笑)」と明るい返事が返ってきました。

回収したアオサは、9月中旬からの本格的な研究スタートまでは、冷蔵庫で保存します。そのために白衣に着替え、実験室で洗浄をしていたのですが、実験室中磯の香りがし、何とも夏らしい空気が漂っていました。そんな中で「今日、野鳥公園の方に協力いただいたようにいろんな人に支えてもらってスタートしようとしているこの研究、絶対成功させたいです。実験は、授業に比べるといつもあっという間に時間が過ぎます。夢中で楽しんでいるからだと思うのですが、そんな実験に没頭できる卒業研究本格スタートが待ち遠しい思いです。」とYくんが熱く語ってくれました。

今日回収したアオサが一体どのような可能性を導いてくれるのか?彼らの解析が待ち遠しいです。

byアビー