実験には笑顔がつきもの

今日は、実験室でいろいろな笑顔をみることができました。
 まずは、1年生。
 生命バイオ分析学科と医療からだ高度分析学科の学生が、定量分析実験をしていました。後期が始まり、最初2回の定量分析実験では実験ガイダンスを行い、実験の原理や方法の説明を受け、今日の3回目でやっと実験をする時間となりました。そのためか、皆が水を得た魚のように、生き生きとしているように見えました。やはり実験が好きな学生にとっては、教室でガイダンスを受けているよりも、実験室で実験をする方が楽しいのでしょう。

 本校のカリキュラムでは、社会に出てからも役立つ技術力を身に付けるため、実験時間を週2日設けています。つまり、実際に手を動かして実験することを重視しているのですが、その分ガイダンスを通して原理を知ることにも力を入れています。なぜなら、実験の原理を理解せずに実験をしていても、本当の基礎を身に付けることはできず、実験結果を見たときの感動もありません。また、想像していた結果と異なる結果が見えたときの、疑問や悔しさも感じられません。

 今日の実験では、それぞれが予習をしっかりと行ってから取り組んでいました。そのため、実験中に思っていた結果と違う値が出たり、色の変化を示したときには、「あれ?」と感じます。そして、班内でその原因を考えた後、我々教員のところに、「先生!間違えた!」「思っていた数字よりも大きい!」などと報告にきます。今日も私の所には、何度も質問や報告がきました。それに対して、「本当にその原因が間違えた理由なのか?」と問うと、学生はまた考え直します。このような問答を繰り返しながら、今度は理屈だけでは説明できない実験の原理をさらに理解していきます。

 これは、今日の実験での出来事ではありますが、教員として学生にいろいろと教えたいと思いながらいつも接しています。そのため、これからも実験や授業などを通して、基礎をしっかりと身に付けられるように、指導とサポートをしていきたいと感じました。

その一方で、2年生は卒業研究に取り組んでいました。

 この時期の2年生になると、それぞれが考えて動きます。特に卒業研究は、良い結果が必ず出るというものではありません。1つ1つの仮説を考えながら、それを実験で試行錯誤して、証明していきます。後期になり、実験も波に乗り出したのか、少しずつ結果が見えてきた班もあるようです。

下の写真は、資源分析化学科2年生のTくんとGさん。

炭に対する金属の吸着能を調べているところで、今日は滴定をしていました。近くを通りがかると、「先生、綺麗な色になりましたよ!」と、見せてくれました。まだ検証段階ではあるようですが、良い方向に進んでいるということで、良い笑顔をしていました。

その横では、生命バイオ分析学科の2年生が、実験の途中経過を観察しに来ていました。

「おっしゃー!」という声も聞こえて、こちらも少し手応えを感じ始めているようです。微生物が生産する界面活性剤の研究を行っており、今まで見たことのない試験管内の変化に、感動するとともに、疑問も感じていました。でも、そこは2年生。よく観察し、考察もしっかりとしていました。良い結果に繋がることを期待しています。

By ぽてと