機器分析、されど基本技術が大事!

今日、私あずみは一年生の「機器分析化学実験」を担当しました。入学してから半年以上が経過し、学生たちが実験に取り組む様子を見ていると、頼もしくなったなぁ〜と本当に思います。

一年生の後期には、分析機器を用いず調べたい成分が「どれだけ」含まれているのかを調べる定量分析実験と、分析機器を用いて「何が」「どれだけ」「どのように(どのような形で)」含まれているのかを調べる機器分析実験があります。

それぞれの実験に、マスターすべき技術や理論がありますが、一年次の機器分析化学実験では、紫外可視分光光度計・原子吸光光度計・赤外分光光度計・蛍光分光光度計・ガスクロマトグラフ高速液体クロマトグラフ・示差走査熱量計の原理や、取り扱い方法を習得します。

今日、私が担当したのは蛍光分光光度計。紫外線を当てると蛍光を発する物質を分析する装置で、感度が高く、微量分析の分野で威力を発揮する分析機器です。

機器分析と言っても、全て機械が分析してくれる訳ではありません。試薬溶液の調製や、試料の条件設定は人の手で行う必要があります。

ここまでは、過去の実験で習得した技術でスムーズに対応できていましたが、今までになかった操作が出てきました。それは…測定したい試料を機器の中で固定するために"セル"という容器に液体の試料を こぼさず、たれないように移す操作です。私が実演した後で、全員が練習して実際の分析に臨みました。

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Uさんは、「簡単に見える操作も思いの外難しい、二年生になるまでには当たり前のようにできるようになりたい」と、

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Fくんは、「一つひとつの基本的な技術をしっかりマスターして、一人前の分析技術者になりたい」と語っていました。


その横で、Sさんは高速液体クロマトグラフでビタミンの定量分析中でした。

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試料を機器に打ち込むシリンジに、空気を入れないように悪戦苦闘していましたが、きちんと分析できたようです。Sさんは将来、化粧品やトイレタリー用品の研究開発や品質管理の仕事に従事したいと考えていますが、「分析機器の立ち上げから分析、機器のメンテナンスに至るまで、全てが実施できる技術者になりたい」とのこと。

自分自身の技能の向上を、客観視することは難しいと思いますが、みんな確実に分析技術者への階段を昇っていますよ。一つひとつの実験から、マスターすべき技術をしっかりと身につけて欲しいと思います。近い将来、それぞれが希望する分野で、一人前の分析技術者として活躍する姿を今から楽しみにしています!


by あずみ