先を見据え、目線は卒業後へ

昨日のブログでも紹介させていただいたように、1年生や3年生が卒業後の進路について意識を高める中、卒業間近の2年生はいよいよ社会に飛び立つための仕上げとして、卒業研究の追い込みに入っています。
とはいえ、発表まで一か月を切り、発表の要旨の原稿提出は明日に控えているため、実験室で新しいデータを出す段階を終え、パソコンに向かってそのデータの解析や原稿作成に取り組むことを主に実施する班が増えてきました。そんな中、今日も実験を行っている班がありましたので、その様子を取材しました。

分析機器の代表格、ガスクロマトグラフの側で奮闘していたのは、「染料の成分を分解できる、有益な微生物を探そう」と研究している班です。1年生の時にもこの機器は使用していましたが、このたび国の補助を受けて分析機器が一新されたため、1年次とはやや異なる仕様の機器を前に戸惑っている様子。しかし、そこはしっかり原理を抑えた彼らのこと。指導のために付き添っていたあおひげ先生に、「僕が操作してもいいし、君たちが操作するのを見守ってもいい。どうする?」と問いかけられると、「しっかり予習してきたんで、僕たちが操作をしてみます。何かあれば指導してください。」と頼もしくH君は答えていました。

以前使用していた機器と新しい機器の違いと共通点などを確認し、カリカリとメモを取りながら操作は続いていました。気づけば機器の傍には人だかり。実はこの人だかりには、研究班のメンバーのみならず、春からHPLCを用いて仕事をする予定の学生も含まれています。「仕事開始に向けて少しでも知識を確認しておこうと思って・・・。」と目線はすでに社会人です。

さて、試験管を両手におちゃめなポーズの彼らは何をしているのかというと・・・

真ん中のHさん曰く、「今後後輩が同じ実験を引き継いでも大丈夫なよう、使用した微生物を保存しておく準備をしています。」とのこと。そうです、卒業研究は必ずしも今年度だけのものではありません。先輩の研究を後輩が引き継ぎ、少しずつ発展してきた研究もあります。Hさんたちの研究は今年度始まったばかりであり、まだまだ発展させたいところが残っています。後輩たちが引き継ぎに手を挙げてくれた時のためには、しっかり今年度のデータをまとめておくこと、そして使用した微生物をすぐに使用できるように管理しておくことが大切になります。

「現在」与えられたことを一生懸命に取り組むことも重要ですが、それよりも大切なのは先を見据え、今すべきことを見出し、計画し、行うことです。指示・指導が与えられる立場である学生という身分を卒業後は、社会人として独り立ちし、自らで計画・実施・確認・行動を行う必要があります。その意識についてもしっかりと身に付きつつあることが実感されました。

さて、明日はいよいよ研究要旨の提出日。しっかり計画力を持って作成したからには、明日は全員、締め切りまでに提出完了できるはず、、、です。その結果は、明日ご報告します。


by アビー