先を走る先輩と、それを追いかける後輩たち

知って、使って、伝えられる化学者へ〜先輩が後輩に機器指導〜

連休の中休みの今日、本校ではカレンダー通りに授業が行われ、教室や実験室には明るい声が満ちていました。連休中は思い思いのリフレッシュを図ったようであり、そこかしこで思い出話をする学生の姿が見られました。しかし、実験中に浮ついた気分は厳禁!事故が起こらないよう、いつも以上に緊張感を持って取り組むよう、全教員から指導を行いました。

そんな実験室の様子をのぞいてみると…何やら学生が機器を取り囲んでいます。

この実験はバイオ化学実験といい、DNAや微生物の分析について学ぶ実験です。このような実験では欠かすことができない各種機器について、その取扱い方法や注意事項などについてレクチャーを受けているのです。しかし、真ん中で説明を行っているのは、教員ではなく、本校の4年生。1年生のときに初めてこの機器を使用し、さらに2年生では課題研究に取り組み、現在では一年間通して卒業研究に取り組む彼らは、このような機器を使うのは日常茶飯事であり、しっかり原理や使用方法も身についています。従って、今日は4年生に後輩指導をしてもらおう、ということでN君に機器説明をお願いしたのでした。

もちろん教員の私も側で見守っていますし、N君も緊張していたと思います。後で聞くと、「機器というのは使い方によっては危険も伴うものなので、教える側の責任は大きいと思います。しっかり伝えなきゃと思いました。」と話していました。また、指導の最中には、「今の皆さんは、初めての知識がどんどん教えられる立場なので、わからないことも多いと思います。でも、卒業研究が始まると、今までそうやって知った知識を実際に使うことで、すべてが理解できるようになってきます。だから安心して、今はできるだけ多くのことを学ぼうとしてしてください。」と彼なりに先輩として後輩へエールを送っていました。

今は楽しそうに、でも真剣なまなざしで手を動かしている後輩たちですが、このような先輩達の姿を見ながら、後輩たちも追いつけ追い越せの勢いで成長してくれることを期待したいと思います。

ここでも「先を走る先輩と、その後ろから追いかける後輩」発見!

さて、まずはこちらの写真をご覧ください。

写真に写っているのは、連休中日に届いた「未来のわかやま じぶんが見える 先輩仕事人と出会える本」。本校の和歌山出身の在学生Oさんが「夢に向かって学ぶコーナー」で取材に協力しており、今後の目標など、初々しくも希望あふれる頼もしい姿が掲載されています。しかし、まさに偶然だったのですが、1ページ目の「わかやまの魅力発信ページ」には、本校卒業生が社長をしているお醤油の会社が!こんな雑誌の中にも、互いを知らないにもかかわらず後輩と先輩が居合わせ、まるで 本校学生の「before」と「after」を見ているようでした。こうしてまだ発展途上、成長過程として紹介されたOさんも、いつか後輩と肩を並べる時が来るのかなぁ、と感慨深い思いがしました。そんな日を、教員一同、楽しみに待ちたいと思います!
(お醤油の会社を経営している卒業生については過去のブログをご覧ください。→「カリスマ分析化学者、世界一を目指す!」


by アビー