水質を「色」で調べる

2年生の資源分析化学科の実験を見てみましょう。
今日は、川の水の水質分析を行っていました。
まず、採取した水を熱して濃縮します。

そしてその水の中に含まれる
「リン」と「アルミニウム」の分析を行います。
「リン」は、私たち人間を含む、多くの生き物たちの栄養源として
重要な元素の一つです。
生物には重要なこの元素も、
川の水の中に過剰に含まれていると、
微生物や植物の栄養源となるため、河川水の汚染に繋がるのです。
そのリンの分析方法としては、「色」を利用します。
元々リンは無色の元素ですが、
そこへある薬品を加えると、
その薬品とリンが反応し、写真のように青色に変色するのです。

この青色が濃ければ濃いほど、
たくさんのリンが含まれているという仕組みです。
そして、その色を調べるのが「分光光度計」と呼ばれる装置です。

見た目だけでは、どんな色が、どれぐらい濃いのか、
ということを数値として出すことは不可能ですが、
この装置を使うことで、
色の種類(どんな色なのか)と
その濃度(どれぐらいの濃さなのか)を
数値として出すことができます。

一方、こちらは「アルミニウム」を調べています。

アルミニウムは金属元素の一つで、軽くて丈夫な性質があるため、
身近には飲料水の缶や、飛行機などの乗り物の機体などに使用されています。
しかし、これが水の中に含まれていると、
体に有害な物質となってしまいます。
このアルミニウムも「色」で分析します。
また薬品を加えると、
薬品そのものは黄色をしていますが、
アルミニウムが含まれていると、
そのアルミニウムと反応し、オレンジ色に変色します。

その変色具合によって、アルミニウムの量が分かるのです。

しかし、資源分析化学科のO君に、
今回の測定結果を尋ねてみると、
今回採取した河川水に顕著な汚染は認められなかったとのことでした。

(手前の学生がO君)

「最近はどこの川の水も、
今回の測定法で検出されるほどの汚染はしていないそうですよ」
と嬉しそうに話していました。
分析した上で、そんな話を聞くと、ちょっと安心しますね。