将来の仕事に活きる卒業研究

毎週、土曜日・日曜日に社会人やフリーター、Wスクールの大学生(大学院生)などを対象に分析化学の
知識と技術を修得するために開講されている化学分析コースが今週も始まりました。

先週から期末試験が始まっていますが、今日は試験は無く、授業と実験のみの日です。
2年生は卒業研究が始まって、はや7回目。それぞれのグループの実験技術もだんだん向上してきました。

私の担当するグループは、今日も以前に紹介した水蒸気蒸留をしていました。現在1年生で、アロマオイル
などに興味を持つYさんなどは、授業で習う前から水蒸気蒸留という操作を知っており、2年生の実験を
興味津々で見ていました。どうやら自分自身でもやってみたくてうずうずしているようですね。ぜひ来年度、
卒業研究で精油やアロマオイルの研究に取り組んで下さい!

もう1つのグループは、絹糸のもととなるカイコの繭からセリシンやフィブロインというタンパク質を
取り出す実験をしています。酸性やアルカリ性の液に繭を入れて、どれが目的に合った分解をするかを
試験しています。そしてその状況を顕微鏡観察していました。

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化学分析が主体の研究ではありますが、実験中の変化を目視で観察し、検討することも研究では重要な
ファクターです。

M君とK君は分解前の繭の断片と分解後のものを見比べているようでした。「まだ、最適な条件を
探してるところで、本命の実験まではたどりついていません」とのこと。

この繭から取り出したタンパク質やアミノ酸は、化粧品などに応用できるようです。このグループには
社命で化粧品関係の資格取得をするために入学してきた学生も居ます。将来、この研究が会社での商品
開発などに活かされる日が来るといいですね。


by ドラ一郎