研究に不可欠な視点とは?

本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様な入学目的を達成するために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。

化学分析コースの2年生は、先週のブログで紹介がありましたが、卒業研究の
グループが決定し、各グループでは具体的な研究テーマの検討を行っています。
放課後に教室を覗いてみると、化学分析コースの2グループがミーティングを
実施していました。卒業研究テーマを検討する上で、学生たちに与えた課題は
「独創性(新規性)があること」・「将来性(発展性)が期待できること」・
「費用対効果を含めて実現可能性が高いこと」の3つです。

[,w275] [,w275]

化学分析コースに入学する学生は、転職や再就職を希望する学生だけではなく、
平日は企業を経営している方もおり、自社の製品や会社の事業に直結した研究
テーマに取り組みたいという希望を持っている学生もいます。ただ、上述した
3つの観点からグループ全員で質疑応答を繰り返すことによって、最終的には
実施するテーマとその研究目的が明確となっていきます。今はそのプロセスで
あり、重要なディスカッションだと私は考えています。

学生たちは、
『取り組みたいテーマはあっても、目的を問われると十分とは言えない』
『新規性がないと、研究ではなく実験になることが良く理解できました』
などと、それぞれが感想を口にしていました。

約一ヶ月後には、卒業研究のPFD(プロセス・フロー・ダイアグラム:フローチャートと、
使用する薬品・エネルギー、廃棄物の発生量等をまとめたもの)を提出する必要があります。
具体的な研究テーマの検討は、来週には目途をつける必要がありますが、卒業研究の全体を
考えても今が最も重要なプロセスの一つですから、しっかりとディスカッションを重ねて、
グループ全員のベクトルを一にして欲しいと考えています。

by あずみ