「一人前」を目指して。客観的なデータ評価を!

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

今日で、前期の期末試験が終了し、いよいよ授業も前期の大詰めに入っています。
この時期の授業では、前期に学んだことのまとめを行い、後期で身に付けるべき
内容について紹介する様子がよく見られます。今日は、I先生が教科担当である
2年生の授業「統計工学I」を少し覗いてみました。

この科目では、前期に実験や研究の結果となるデータをどのように取り扱うのか
というルール(平均値やばらつきの特徴を調べるなど)を主に学び、後期からは
実験データと理論値、または別のデータと比較して、客観的に実験データを評価
する手法を学びます。これから本格的に進める卒業研究において、研究データを
自分たちの感覚ではなく、正しい判断ができるようになるためにも、この手法を
マスターしなければなりません。化学分析の技術を学び、実際に分析値が出せる
ようになっても、このプロセスができてこそ一人前の分析化学者と呼べるのです。

[,w275] [,w275]

授業後に、学生たちから次のような話があったようです。
 『データが近いとか正しいとか、自分たちの感覚で主観的に判断しては
  いけない理由がよく分かりました。』
 『卒業研究でも授業で学んだことを実践して、データを適切に取り扱い、
  自分たちの研究目的を達成したいと考えています。』

実験データは、その取り扱い方を間違えてしまうと、全く意味をなさない数字へと変化します。
それまでの間に頑張って実施した研究も、振り出しへと戻らなくてはなりません。そのような
ことのないよう、1年生の授業や実験から少しずつ慣れてきたわけですから、それらの復習と
後期の授業内容を卒業研究に活用し、2年間の総まとめを行って欲しいと強く考えています。

by あずみ