今年一年を振り返って〜入学してから分かったこと、出来たこと〜

今年も残すところあと1日で冬休み。
1年生に、この1年を振り返ってもらい、
本校に入学して初めて分かったことや印象に残っていることなど、
生命バイオ分析学科1年生の放課後に潜入し、学生に直撃インタビューしてきました。

まずはこちらのグループ。

何してるの?と聞くと、Mさん(写真中央)が

「本校卒業後に大学編入学するか、そのまま就職するか、いろいろと迷っているので、
 そのことについて話しているんです。」とのこと。

実は、隣にいるU君(向かって右)も、大学編入学を考えているのですが、
U君は、高校の時から、ある大学の先生が行っておられる微生物の研究に興味を持ち、
その研究をしたいという目的で、最初から大学編入学を目的として本校に入学してきましたが、
Mさんは少し違っていました。

彼女は化粧品の研究開発に携わりたいという夢を叶えるために大学進学を検討していましたが、
大学に行かずとも、本校卒業後にそうした仕事に携わっている卒業生も多いと分かり、
自分の卒業後の進路をどうするか?いろんな人にいろんな意見を聞いているということでした。

たとえば彼女の隣のKさん(向かって左)。
自分のやりたいことが大学にないと判断して、大学を中退して本校に入学してきた学生です。

高校時代に学んだ化学の中で、金属や有機化合物の混合物にいろんな試薬を加え、
最終的にはどんなものが入っているか調べるというところが好きで、それがしたい!と思ったのですが、
教科書の中で「分析化学」とは書かれていなかったので、自分の道が定まらず、
結局、管理栄養士を学ぶために大学に進んだものの、化学的な要素はほとんどなかったため、
もう一度原点に戻った時に「分析化学」ができる本校を知り、入学してきたのです。

入学後は、高校のテキストで興味のあったところをそのまま実験でできたことに感動したとのこと。
将来は、「医薬品分野で分析を仕事にしたい!」と言い切る彼女の顔は、今、本当に好きなことが
出来ているんだなという充実した1年を感じさせてくれました。

U君やKさんのように、自分の目標がきちんと定まっている学生に囲まれながら、Mさんは、

「高校卒業してそのままストレートで大学に行ってたら気が付かなった道がたくさんあることが、
 この学校に入学して分かりました。そして、いっぱいいっぱい悩んで、こうやって
 いろんな人の話を聞いて、自分が本当に納得できる道を選んで進んでいきたいと思います。」

と答えてくれました。

そうなんです。学生たちは、それぞれにいろんな思いがあって本校に入学してきます。
Mさんのように、自分の道がなかなか決められない学生も実際はたくさんいます。

入学後も、就職か大学編入学か、そして、大学に進むとしても、単に偏差値ではなく、
その大学に行けば、何ができるのか?どんな分野に就職できるのか?ということを、
大好きな実験をしながら、しかも自分の進むべき道の階段を一歩ずつ登りながら、
真剣に考えることのできる環境があるのも本校の魅力かもしれませんね。



ということで、次のグループへ。

何してるの?と聞くと、
先週行った機器分析化学実験のレポート作成のために、データの計算結果を
お互いで確認しているということでした。

H君に、本校に入学して何か印象に残っていることは?と質問すると、

「メニスカスが得意になりました!」と即答。

この「メニスカス」とは実験に用いる溶液の調製や希釈の際に必要なガラス器具を用いた操作で、
これがきちんと出来ないと、いくら高度な分析機器を用いても、正確な値を出すことが出来ません。

「もちろん、入学当初から上手かったわけではなく、後期に入ったころから徐々に上手くなり、
 今では得意な操作と断言できるようになりました。」

入学前はその操作名も知らなかったH君。入学して出来るようになったことを断言できるって、
カッコいいじゃないですか。これがいわゆる「手に職をつける」ということですね。


また、Wさんにも同じ質問をすると、

「いろんなクロマトグラフィーが出来ました。」という回答。

クロマトグラフィーとは、分離する技術を使って分析していく実験方法なのですが、
入学してすぐの前期には「薄層クロマトグラフィー」、
そして後期には「高速液体クロマトグラフィー」や「ガスクロマトグラフィー」といった
分析機器を使ったクロマトグラフィーが出来たことが彼女の中での大きな出来事だったようです。

というのも、Wさんが化学に興味を持ったのが中学生の時の「ペーパークロマトグラフィー」
という実験で、それ以来「クロマトグラフィー」が好きでたまらないそうです。

このように、本校で学生に印象に残ったことを聞くと必ず実験の話が出てきます。
それくらい、実験が楽しいということでしょうね。
実験を仕事にするということは、言い換えると、仕事そのものが楽しいということ。
さいころから好きだったことが仕事になるって本当に素敵ですよね。

では今回は、そんなWさんが中学校の時に楽しかった「クロマトグラフィー」の実験は、
本校の面白実験動画サイトで見ることが出来ます。
お家で簡単に出来る実験でもありますので、この冬休みにお一ついかがですか?

また、この実験がテキストベースで確認できる「すぐできる!なるほど・ザ・化学実験室」も
ぜひご活用ください!この実験以外にも、楽しい実験がたくさん掲載されていますよ。

URL http://www.bunseki.ac.jp/naruhodo/index.php

by すくろーす