卒業後を見据えた授業 2年間の総まとめ

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

さて、化学分析コースにおける平成26年度の登校日も、今日・明日の2日間となりました。
2年生にとっては、先週のブログで紹介しましたように、卒業研究論文の提出と期末試験が
終了し、学生たちの緊張の糸が解けてしまわないかと思いましたが、そのようなことはなく、
卒業の後、それぞれの道で学習した内容を役立てようと講義を聴講していました。

午後の授業を1コマ覗いてみました。講義は「化学分析法?」、教科担当はH野先生でした。
H野先生は、大手塗料メーカーにて分析室の立ち上げから携わり、40年以上、分析化学の
現場で勤務されていた先生です。企業で勤務されていた時代は、分析室スタッフに専門的な
教育をする機会も多かったようですが、今日の授業は2年間の総まとめとして、H野先生が
企業時代に入社3年未満の分析室スタッフに教育をしていた内容を講義されていました。

この「化学分析法」という講義では、入学時に使用する器具の説明や取り扱い方法、1年次
後期は秤量・溶解・ろ過などの基本操作を学び、2年次になると抽出・蒸留などの前処理や、
組成・構造分析、微量分析、元素分析へと2年間かけて、初歩の初歩から実務的な内容へと
レベルアップする授業です。実験で修得する技術等はもちろん、知識の面でも学生が着実に
レベルアップしてきたのは、このような講義一つひとつの積み重ねだと私も実感しました。

この授業の、最終回を受講した学生の感想です。

  『1年の最初から、2年の最後まで、全力投球の授業をありがとうございました。
   時にふれて思い出していきたいと思います。』

  『化学分析法の授業は実用的なので、今後すぐに仕事で活用し、その中でも学んで
   いきます。どうしても教えていただきたい時には、卒業後しても質問に来たいと
   思います。その時はよろしくお願いします。』

それぞれが目的を持って入学した化学分析コースの2年間も、明日で最後の登校日となります。
ふりかえってみると、あっという間の2年間でしたが、それぞれがしっかりと明日の最終日を
締めくくってほしいと思います。

by あずみ