学科ごとの専門実験で実力アップ!!

本校の学生は実験を中心に分析化学を学んでいます。
1年生では分析化学者になるための基礎の実験を学び、
2年生では学科ごとの専門の実験を学生たちは学んでいます。

 その中で本日、生命バイオ分析学科と医療からだ高度分析学科の
2年生は『医薬バイオ化学実験』を行いました。

『医薬バイオ化学実験』では、微生物実験を始め、DNA、
タンパク質や酵素の実験、さらに医薬品の規格および試験方法が
記載された公定書(日本薬局方といいます)に基づいた医薬品分析の実験を行っています。
 わたくしも医薬バイオ化学実験を担当していますので、その中の
PCR法』という実験について紹介します。

PCR法』でDNAのコピーを大量に増やしました!

 PCR法とは、目的のDNAのコピーを大量に増やすことができる
実験方法で、食品の品種鑑定や遺伝子組み換え食品の判定、アレルギー源の混入判定、
犯罪捜査など幅広く用いられており、バイオ実験の基礎となる実験です。

 DNAとはヒト、動物や植物をはじめすべての生物が持つ遺伝物質なので、
前回の実験でホウレンソウの細胞から取り出したDNAの一部分をPCR法で増やしました。



↑ 『PCR法』で増やしたDNAの確認中です。

 写真は、実験中の様子です。初めて行う実験でしたが、流石2年生ですね。
慣れた様子で実験操作をしています。

 学生たちは実験当日までに原理を調べ、実験方法や必要な器具、
試薬を確認したりして実験の準備を行っているので、スムーズに実験が進みました。

 実験後、学生たちにPCR法の感想を聞いてみました。
PCR法は医薬バイオ化学実験で楽しみにしていた実験の一つでした。
今回初めて行った実験なので、しっかりと実験の原理や実験の注意点を
まとめておきたいです。」
と言っていました。さらに、
「今度は医薬品分析の実験をするので、医薬バイオ化学実験でたくさんの
実験技術を自分のものにしていきたいです。」
と今後の意気込みも語ってくれました。

 希望する分析化学者としての目標はそれぞれ異なりますが、学生からは
実験技術を自分のものにしようとする熱い気持ちが感じられました。

実験後は機器のメンテナンスも!

 実験後、有志の学生が本日使ったマイクロピペットのメンテナンスを行っていました。

 マイクロピペットは微量の液体を正確に計量することのできる
バイオの分析技術者には必須の機器です。


↑ マイクロピペット(手に持っている機器)を校正するI君

 
 I君は、
「正しく校正された機器で実験しなければ、正確な実験ができないの
で、定期的に校正をしています。」
と言っていました。

 実験操作だけでなく、機器のメンテナンスは実験をする上で大切なことです。
一人前の分析化学者になるため、いい習慣を持ち続けて欲しいです。

By Mac