化粧品の品質管理実務にチャレンジ!

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

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7月の下旬からスタートする卒業研究に向けて、2年生の実験は総まとめの時期と
なりました。今日の実験は、HPLC高速液体クロマトグラフ)という分析機器を
用いた分析を実践しています。今日は、化粧品に紫外線防止剤がどれだけ含まれて
いるのかを分析します。紫外線防止剤は紫外線を反射する成分と、紫外線を吸収し、
熱などに変える成分がありますが、今回はその後者の分析です。

化学分析コースの2年生には、平日の仕事で実際に化粧品や医薬部外品に関係する
仕事に従事している学生がおり、その会社の日焼け止め製品とその原料を持参し、
また女子学生は自身の化粧品を持参して、分析試料として実験を進めていました。

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2年生の実験は、医薬品や食品、環境中の水などの実サンプルを試料として分析を
行う実験ばかりですが、化学分析コースの学生は、就職・転職を考えている業界が
多種多様ですので、何かの分野に特化せず、実験を通して様々なサンプルの分析が
経験できるのも化学分析コースの特徴といえます。

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写真のE君は、就職先として化粧品・医薬部外品分野への就職を検討していますが、
今日の実験を通して感じたことを聞いてみました。

  『HPLCを使用したのは久しぶりで、ぎこちないところもありましたが、
   HPLCについての理解が深まりました。これまでは粘性のない水溶液を
   分析していましたが、今回は実際の化粧品と粘性のある原料を取り扱い、
   化粧品の品質管理の実務的な分析を経験することができました。また、
   前処理等に有機溶媒を使用し、この機器の適用範囲の広さを感じました。』

化学分析コースは土曜・日曜に集中して学ぶコースなので、平日の学科・コースより約2ヶ月早い、
7月下旬から卒業研究も始まります。1年次の基礎的な実験から、今では実務的な実験へと着実に
技能も向上している2年生が、どのような研究テーマに取り組むのか、今から楽しみにしています。

by あずみ