知識の幅は実験での発見で拡げる!

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

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この週末、1年生は「定性分析実験」に取り組みました。この実験は、調べようとする
溶液の中に「一体何が含まれているのか」化学反応を利用しながら調べていく実験です。
調べる対象は23種類の金属イオンですが、4月から化学の基礎的な実験に取り組み、
授業でも定性分析の理論について基礎から学んできましたので、今日の実験については
知識・技術の両面で予習はバッチリという状態で臨んでいます。学生の中には、平日の
仕事での技能を活用し、実験操作をわかりやすくCAD(製図ソフト)で図化している
学生もいます。テキストとして使えるのでは?と思ってしまう程、よくできています。

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しかしながら、テキスト通りの結果になるとは限らないのが実験。今回は、水銀やスズ、
アンチモン等の分離と確認を行いましたが、授業で「この試薬を加えると黄色の沈殿が
生じます」という説明を聞いていても、実際に沈殿が生じなかったり、別の色の沈殿が
生じてしまったり。そのような発見があるからこそ、実験は面白いのだと思いますし、
ベースとなる授業での理論に実験結果が上積みされ、技術だけでなく知識の引き出しも
増えていくのです。今日の実験操作を終えた学生たちは、時間のある限り実験の中での
新しい「発見」について、検証するための確認実験を行っていましたので、その感想を
聞いてみました。

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K君(写真左)
 『テキストや授業での説明通りにならないことがありました。金属イオンを分離する
  操作でイオンの濃度が低くなったり、その分離が不十分だったりしたことが原因と
  考えていますが、実験を振り返ってもう少し考察してみます。』

Tさん(写真右)
 『テキストや授業の解説では数行程度の説明ですが、実際に実験をしてみるとそこに
  深い理論があることが分かります。授業で学ぶ理論に実験での気付きを合わせると
  確かな知識と技術が身に付くのだと実感しました。』

教員の私も、実験指導を通して毎年新しい発見に出会います。定性分析実験はまだ始まったばかり
ですが、今後も実験の中で発見を繰り返して、技術はもちろんですが、知識の幅も拡げてほしいと
考えています。

by あずみ

※明日から三日間、祝日・国民の休日で学校はお休みです。
 次回の更新は9月24日(木)です。お楽しみに♪