5年目を迎える京都府立綾部高等学校東分校出張実験会!

今日は京都府立綾部高等学校東分校の出張実験会に、ましおか先生と一緒に行ってきました。
平成23年度からこの高校の先生に毎年お声掛け頂いており、
5年目を迎えることとなった今年の実験会の様子を今日はリポートします!

実験準備が完了し、ましおか先生にカメラを向けると、この不敵な笑み。

生徒の皆さんには「実験、面白かったです!」と絶対に言ってもらいますよ…
ということでしたが、結果はいかに…?乞うご期待!



さてさて、実験開始の時間となりましたので、まずは私が担当する実験から。

写真をご覧頂いてお分かりのように、
NaOH(水酸化ナトリウム)とホワイトボードに書いていながら、
実験台の右端の方には、何やらおいしそうな飲み物が。。。

そうなんです。これは、カルピスの実験。
一般的に多く飲まれているカルピスウォーターと、
濃縮タイプのカルピスを薄めて作った昔ながらのカルピスでは、
なんとなく味が違うと思いませんか?

もともとカルピスには乳酸菌が作った乳酸の酸味があるのですが、
スッキリとした後味となるように、実はカルピスウォーターには
クエン酸が添加されているため、トータルとしての酸度が高くなっているのです。

今回は、アルカリの代表である水酸化ナトリウム溶液で滴定することで
こうしたカルピスの違いを化学的に解明していこう!という実験を行いました。

結果は、やはりカルピスウォーターのほうが滴定値が高く、
酸度が高いということが分かりました。
滴定をしている間中、カルピスの甘〜いイイ香りがするために、
カルピスが飲みたくてしょうがない!という生徒さんが続出しましたが、
実験室での飲食は禁止ですので、カルピスとカルピスウォーター
味の違いはおうちでの宿題とし、次の実験へ…(笑)。



次は、ましおか先生が、納豆と胃腸薬を使って秘密の手紙を書く実験。

デンプンを分解する酵素であるアミラーゼがきちんと働くことと、
ヨウ素でんぷん反応がうまく反応することがこの実験の成否を握ります。

デンプン液を湿らせた白いろ紙に、納豆や胃腸薬を水に溶いた無色透明の液体で
手紙を書くため、よそ見すると、自分がどこに何を書いたか分からなくなる
こともあってか、みんな真剣に取り組んでいます。


うがい薬をスプレーすると、書いたところだけがヨウ素でんぷん反応をせずに
白く浮かび上がってくるのですが、皆さんの作品はどんな感じになっているかしら?

とてもクリアに文字や絵が浮き出てきており、結果は大成功!
楽しみながら酵素や微生物、医薬品について学ぶことができました。



実験が終了した後、とある人物からのビデオレターを生徒の皆さんにご覧頂きました。
実は、この高校を卒業し、本校の生命バイオ分析学科に入学した先輩が、
後輩に向けて動画でメッセージをくれたのです。

彼は今年の3月に本校を無事卒業、地元に工場を持つ医薬品メーカーに就職し、
本校入学前から志望していた医薬品の品質管理業務に従事しています。
先輩のメッセージは生徒の皆さんにとって非常に身近に感じられたようで、
終了後のアンケートでも、「先輩からメッセージをもらえて良かった」
と、多くの生徒さんが回答されていました。

ましおか先生の不敵な笑みで開始した実験会でしたが、これにて終了。
実験中の生徒さんの真剣な中にも楽しそうな表情と、
「納豆で文字が書けるなんてビックリしました!」
「カルピスにクエン酸を入れることで口当たりを良くしているなんて知らなかった!」
といった実験終了後のアンケートに寄せられた驚きに満ちた様々なコメントで、
今日の実験会を楽しんで頂けたことが分かり、私たちも嬉しい気持ちになりました。



ちなみに、この高校には「分析化学部」というクラブがあり、
生徒さんが取り組んでおられる水質浄化に関する研究についてアドバイスを頂きたい
というご依頼が顧問の先生からあり、
実験会終了後に生徒さんと意見交換をさせて頂きました。

授業が終わってもこうして実験室で好きな実験をする姿は、
本校の学生の姿と重なりました。
来週からは、本校の実験好きな学生への指導に戻ります。
高校生には負けてられないぞ!とエールを送りたいと思います。

byすくろーす