実物を見て、理解を深める授業

本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得すること
ができる「化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)」があります。

このコースでは、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの多種多様な
入学目的を持った学生が学んでいます。
また、このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コース
(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)は、1学年あたりの定員を20名とする
少数精鋭で開講しています。


今週、1年生は、非常勤講師のH先生による「化学分析法II」の授業がありました。
化学分析法の授業では1年前期の「化学分析法I」から2年後期の「化学分析法IV」まで、
大きく4つに分けて、化学分析の初歩から応用までを段階的かつ網羅的に学びます。
1年次では実験器具の名称や扱い方、ろ過や抽出といった基本的な実験操作について学び、
2年次では様々な試料に対する前処理の仕方や分析結果の読み取り方など、より実践的な
内容について学びます。

今週は抽出についての講義でした。
抽出は液体や固体中から目的の成分を取り出す実験操作のことです。
抽出は正確な分析を行うための前処理(試料を測定する前に行う実験操作のこと)として
よく用いられるため、その知識や技術をしっかりと修得しておく必要があります。
しかし、まだ1年生は実験で抽出操作をしたことがありませんので、実験器具の操作方法
は絵を見るだけではなかなかイメージしづらいため、H先生は器具の実物を示しながら、
基本から丁寧に説明しておられました。


固体試料中の成分を抽出する時に用いるソックスレー抽出器という実験器具について説明
し、学生からの質問に答えているところです。疑問点をその場で質問できるのも、少人数制
で学生と教員の距離が近い土日学科の良いところです。

また、H先生は大手塗料メーカーで分析部門を立ち上げ、さらに後進の指導にあたるなど、
40年間にわたって化学分析に携わってこられました。
このように、初歩から実務まで無理なく段階的に学ぶことができ、さらに実務経験の豊富な
教員から実務に通じる内容を学べたり、実務に関する相談ができたりすることも、土日学科
の魅力です。

授業後に学生に感想を聞くと、
『イラスト入りの資料だけではなく実物を見せて教えてくれるので、初めての実験操作でも
イメージしやすくて、理解するうえで本当に助かっています。』
『少人数なので疑問に感じたことをすぐに質問できるため、1つ1つの知識を確実に理解
していくことができています。さらに、様々な経験談も話してくださるので、楽しいです。』
といったコメントを話してくれました。

正しい化学分析を行うために学ぶことは色々ありますが、1つ1つを基礎から着実に
身につけることで、化学分析の知識と技術、そして分析化学者としての自信を増やして
いきましょう。


明日は「体育の日」で休校のため、このブログもお休みです。
次は10月11日のブログをお楽しみに!

by みなと