食品を使った実験に挑戦する2年生

分析化学応用学科は1学年の定員が20名と少人数制なので、実験の時間は1年生と2年生
が同じ実験室で実験することも多くあります。
こういった機会から学年の垣根を越えた交流が広がるのも、この学科の魅力です。

今週は1年生が基本操作に奮闘している同じ実験室で、基本的な技術が身に付いた2年生は
より実務に近い実験に取り組みました。
具体的には「原子吸光光度計」という分析機器で、スナック菓子に含まれるカルシウム
の分析を行いました。

実際のサンプルを分析する際は、余分な成分を取り除くなどの前処理が必要です。
1年次に学んだ基礎技術の上に、前処理などの応用技術を積み重ねていくことで、実践力
を身につけた即戦力となる人材へと成長していきます。


まずはスナック菓子を乳鉢ですりつぶします。


すりつぶしたスナック菓子を、るつぼと言う容器に入れて、ガスバーナーで強熱して、
完全に灰の状態にします。こうすることで、測定を妨害する成分を除去することができ、
正確な分析が可能になります。
この後、灰の中のカルシウムを溶液中に溶かし出して、測定用の試料を作ります。


原子吸光光度計でカルシウムの濃度を測定しました。

実験を終えた学生に声を掛けると、
『実際のサンプルを使うと、より一層、自分自身が分析化学者に近づいているという実感
が湧いて、とても楽しかったです。また、1年生が基礎技術を学んでいる様子を見て、
先輩としてお手本になれるように、基本操作も思い返しながら行いました。』
とコメントしてくれました。

2年生はこれから、卒業研究(2年間の総まとめ実験)のテーマを検討し、計画を立てて、
実験を行っていきます。
前処理などの実務的な技術もしっかりと修得して、卒業研究などに活かしていってほしい
と思います。

byみなと