におい識別装置

日本分析化学専門学校 におい識別装置

今日は卒業研究の担当でした。
私の担当しているテーマは、先日せんぱい先生の日記でご紹介いただいたようにニキビや虫歯に効く物質の検索の他に、におい(詳しくは発表まで公開できませんが)を分析するというテーマがあります。通常はにおいを分析機器で測定する場合、ガスクロマトグラフィーを用いて測定するのですが、私たちの実験はひと味違います。
ガスクロマトグラフィーで分析できるのは、においの中にどんな成分が入っているかを分析するので、標準品がないとどんな物質かということを特定できませんし、ましてや、人間の鼻では検知できるのに、大変濃度の薄いにおいについては検出さえもできません。また、においは世の中に単一で存在していることはまれで、通常、複合臭と呼ばれる状態で存在しています。つまり、とっても微量で多種多様の成分が混じり合って一つのにおいを作っているのです。そこで、私たちの嗅覚に最も近い状態でにおいを測定する機器「におい識別装置」を開発された島津製作所の方々のご協力により、この装置を使って共同で研究をすることになりました。
今日はその装置の立ち上げで、島津の方が来られ、担当である私と、研究メンバーの学生達に装置の取り扱いについての説明を受けました。学生達は大変わくわくしている様子で今にもにおいを測りたいようでしたが、装置はそんなに簡単に立ち上がりません。様々な手順を踏んでやっとセットアップが完了するのです。しかし、学生達は分析機器が取り付けられる様子までじっくり見られたので、とても満足しているようでした。