自然界での生物活動の影響

金属を測るのが得意です!

今日は化学分析コース2年の「卒業研究」を担当しました。
以前にも書かせて頂きましたが、平日の資源分析化学科、生命バイオ分析学科、有機テクノロジー学科から抽出して、土曜日、日曜日だけで済むようにカリキュラムを編成している「化学分析コース」の「卒業研究」では学生さんの興味の幅が広いため、例年、環境から食品、化粧品、金属、生物、光触媒など、様々な研究テーマに取り組んでいます。

今日は、自然界において生物活動が化学物質にどのように作用するかを調べようとしているグループと一緒に黒鉛炉(フレームレス)原子吸光分析法によるアンチモンの分析にチャレンジしました。写真は今回用いた島津製作所製の原子吸光光度計です。有害金属として知られているヒ素アンチモンの化合物が生物にとって必要な微量元素であるという説があるのですが、これらの化合物は分析が難しく、現在でも真偽のほどは定かではありません。彼らはこれらの化合物が生物必須元素か否かを明らかにしようと立ち上がったのです!これから半年間に渡り挑戦していきますが、どんな結果を導き出すか、私もドキドキです。

今週は化学分析コース1年生の授業「機器分析法Ⅰ」も担当しました。1年生は今までに吸光光度計や原子吸光光度計高速液体クロマトグラフガスクロマトグラフなどを順に学んできましたが、今回は「ガスクロマトグラフ質量分析計」について学びました。市販のテキストでは詳細について述べているものが少なく、今回は手製のプリントや日本分析化学会で各分野の専門家がつくったビデオ教材を用いて解説しました。この装置は微量な有機化合物を高感度に分析できる装置で、従来分析が難しかった環境や食品の残留農薬などの分析にも使われています。勉学の秋、これからも順次新しい分析機器について学びますが、どんどん吸収して欲しいですね。

by 英国チャレンジャー号