分析化学者への道のり

bunseki2008-05-12

今日は1年生の定性分析実験でした。
この実験では、何種類かの金属イオンが入った溶液を、色んな試薬と反応させ、色を見たり、沈殿を作らせたりして、中に入ってる金属を判別します。
もとは透明の液体が、試薬を混ぜることで色が変わったり、沈殿ができたり、その沈殿も黒かったり、黄色だったり、と、カラフルで楽しい実験です。
学生達は、慣れない手つきで試薬を混ぜ、器具を操作し、でてきた溶液や沈殿を見て一喜一憂。そして色の判定にちょっと戸惑い気味。というのも、テキストに書いてある色がそのまま必ず見られるとは限らないのです。また、色の判定というのも、非常に微妙なのです。たとえば、テキストには「黄色の沈殿」と書いてあったとします。でも、実際に反応して出てきた沈殿が、白に近いうすーい黄色だったり、濃い黄色だったり、あるいは全く違うように見える色だったりすることもあります。
これは、元々入ってた金属の濃度にもよりますし、そこまでに至る手順で、入ってた金属が十分に回収できてなかったり、様々な理由が考えられるのです。
また、色の判定基準も人それぞれだったりします。上記の「白に近いうすーい黄色」を「白」と判定するか「黄色」と判定するかも学生それぞれで、各グループ皆で試験管の中身を見ながら様々な討論が展開されていました。
これは非常に重要なことで、こういう実践的な体験を通して、正確な判定眼を身につけていくのです。こういうことは、決して机の上の理論だけではわかりません。実験テキストをいくら熟読しても、身につくものではないのです。やはり、自分でやって、自分の目でみて、その上で自分で考える、実体験に勝る物は無いと、つくづく感じたあでりぃでした。
by あでりぃ