実験の合間に

先生との会話

 今日は、資源分析化学科2年生の実験中に耳にした会話をご紹介します。
 実験は、土の中の有機物や水の量の測定で、土壌分析の基本となる実験です。異なる温度で土を加熱し、重量変化を正確に測定しますが、温度が安定するまで時間を置くことが必要で、待ち時間の長い実験です。
 その待機中、学生と担当教官「せんぱい先生」との会話は、実験の質問から、卒業研究のテーマ、そして、卒業式の話へと進んでいきました。学生たちが気にしていることは、ズバリ、卒業式で「せんぱい先生」が泣いてしまうのではないか、ということです。
 というのも、「せんぱい先生」は資源分析化学科2年生の担任であり、勉強の面だけでなく、健康管理、自治会、学校行事、ビジネスマナー、就職など、様々な面で指導してくれている先生です。「せんぱい先生」の情熱をよく知っているだけに、卒業式に感極まって泣いてしまうのでは、と気になっているようでした。
 この会話を聞いていて、私は胸がジーンとなってしまいました。恥ずかしいので、涙を見せないよう努力していますが、卒業式では全ての先生が泣いています。共に、努力し成長し、そして巣立っていく学生の最後の晴れ舞台が卒業式です。2年間の出来事が、走馬灯のように頭の中を駆け巡り、目頭が熱くなってしまうのです。そんな先生の気持を察してか、「先生、泣かんといてや」と冗談まじりで話しかける学生たち。いい瞬間に立ち会わせてもらったな、と思いました。
 卒業式というと、少し気の早いようですが、もうすぐ夏休み。夏休みが終わると、卒業研究で2年生は大忙し。そう考えると、卒業式もそう遠くはない話です。卒業までの残された時間、これまで以上に充実した学生生活を送り、立派に実社会に巣立って欲しいと思う、水の都先生でした。

by水の都