山を乗り越えゆとりの実験

定性分析実験 第3族

今日の化学分析コースは定性分析実験を行いましたので、久しぶりにその様子をお伝えしたいと思います。今日は無機定性第3族の金属イオンの検出実験です。
先に行った第2族は、定性実験の山場となるやっかいな族なのです。検出する金属イオンの数が多いわりに、反応色が単調なのである意味で面白味に欠ける属ですが今日の第3族は沈殿の色や形状も多彩で、反応色も色とりどりなので学生達もその変化を楽しみながら実験をしていました。
そこへ今日の卒業研究指導のM先生が実験の様子を覗きにこられ、「1年生は実験に対してゆとりが出てきたようですね」との感想でした。確かに定性分析実験を始めた頃はまったくゆとりが無く「必死」と言う言葉がピッタリあてはまる状況でした。やはり山場である第2属をクリアーしたことで定性分析のコツを掴んだようです。
質問も化学変化しない原因を聞くことがほとんどなくなり、反応色(溶液の色や沈殿の色)の微妙な違いに関して「これは検出されたと判断していいのですか」というものがほとんどでした。
下の写真は検出確認のために少量の試料溶液に薬品を加えて反応させたものを確認に来たTさんのものです。「今回は色の変化が微妙ですが多彩なのでおもしろいです!」とか「先生!この色でいいんですね。やった!」と童心にかえったような雰囲気がそこいら中に溢れていました。

社会人ばかりとは言え、化学初心者が大半の同コースにおいても、初めての体験や成功体験は一喜一憂するものです。それの繰り返しがスキルをアップさせ、自信となるのです。今日の1年生を見ていると、2年生もこの時期は同じようだったなとフッと思い出したトトロでした。


by トトロ