がんばれ! お母さん

生活用品の安全性試験

 先日、6年半前に本校を卒業したYさんが、後輩たちの求人の件で来校してくれました。Yさんは、現在、消費生活の向上と消費者意識の啓発を目的に設立された公益法人に勤務しており、日用品の安全性試験などの仕事をしています。試験は化学的なものばかりでなく、例えば、携帯電話が異常過熱しないかどうかを調べたり、衣類の穴が虫食いによるものかどうかを電子顕微鏡で調べたり、といったものもあるそうです。
 まさに、生活の安全を守る最前線の仕事ですが、Yさんは、本校を卒業してすぐにこの仕事に就いたわけではありません。最初は、ジェネリック医薬品メーカーに就職しましたが、その会社は出産を機に退職しました。お子さんが成長し、少し時間的な余裕もできたので、現在の職場で再び働き始めたそうです。
 医薬品と日用品、分野違いのようですが、それを検査するときに必要になるのは、どちらも分析化学の技術なのです。実は、分析化学を必要とする仕事は、様々なところにあり、Yさんも『再就職先を探したとき、分析化学技術者の求人が多いことに驚きました』と言っておられました。
 今の仕事について、Yさんは『最近、身近な商品の安全性が問われるようなニュースが多いですが、私自身、4歳になる息子がいるので、お母さま方の不安は良く分かります。私の仕事が少しでも生活の安全を守るために役立っているかと思うとやりがいがあります』と話してくれました。
 とても楽しそうに息子さんの話をされるYさん。日々の暮らしの安全を守るという大切な役を、家庭でも職場でもやっておられるYさん。その笑顔は、とても素敵でした。
 がんばれ! お母さん。 がんばれ! 卒業生。
by水の都