今日はバイオ系3本立て♪

今日は1限〜3限まですべて授業でした。私の担当している科目は、先日行われた「工業英検」の受験対策にもなっている工業英語以外はすべてバイオ系の授業なのですが、今日はそのうちの3科目の授業がありました。(ちなみに今日の写真はそれぞれの授業で使っている教科書の写真です。)

◆細胞も実はアブラで覆われている・・・
まずは、1限目は1年生の「生物化学」。生物化学は、単なる生物ではなく、生物が何でできているのか、化学的に学ぶ科目です。これまでの授業では糖について解説をし、このブログでの私のハンドルネーム(すくろーす)の由来が分かる授業も行いました。そして今日は脂質についてのお話。脂質というとメタボで一躍有名になった「中性脂肪」という言葉をイメージされる方も多いと思うのですが、実は私たちの細胞一つ一つは脂質の膜で覆われているという話を今日はしました。特に高校時代に生物を選択していない学生にとってはとっても意外であったようで、資源分析化学科のK君は授業終了後に質問に来ていました。





◆科学捜査の秘密も化学で解明・・・
2限目は生命バイオ分析学科2年生の「食品分析化学」。食品分析には多くの化学反応が使われていますので、どういう化学反応を使って食品を分析しているのかということが、正確な分析をするうえでは必要となってきます。特に、食品中には糖質、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミンなどなど・・・多くの成分が含まれていますので、その中から1つだけの成分を分析したいときには、他の成分がその化学反応を邪魔することだってあります。ですから、単に食品分析といっても実は前処理をいかに適切に行うかということがとても大切になります。その中で、今日解説した分析項目はアミノ酸たんぱく質アミノ酸たんぱく質に反応する「ニンヒドリン反応」について説明した後、実はこの反応が「指紋の検出」に使われることを解説。
特に指紋が「紙」についている場合は、この反応でバッチリ紫色の指紋が浮かび上がります。ちなみに、原理や指紋検出方法についての詳しい解説はこちらのページをご覧ください。↓
http://www.bunseki.ac.jp/naruhodo/experiment/expdetail.php?id=169&experiment=teacher&keyword=&time=&category_id=&pageID=




◆飲むと危険な薬ってあるの?
3限目はこれまた生命バイオ分析学科2年生の「植物・生物代謝学」。私たちが食べ物を口にした後、体内でどのような代謝反応が行われ、エネルギーや体が作られていくのかということを学ぶ授業科目です。先週は糖の代謝について解説をしましたので、今日はその復習も兼ねて「ワインのまろみはナゼできる?」「アルコールは高カロリー?」「ダイオキシンが母乳に多く含まれるのはなぜ?」といったトピックスを紹介していきました。中でも学生が最も興味を示したのが「嫌酒薬(ジスルフィラム)」についての話。これはアルコール中毒患者が処方される薬で、この薬を飲んでからお酒を一口飲んだだけでも猛烈な頭痛と吐き気に襲われてしまうというものです。薬は人の肉体的・精神的苦しみを取り除くために使われるものという固定概念があるからかもしれませんが、S君からは「そんな危険な薬があるんですね〜」とオドロキの声を上げていました。

このように、バイオ系科目においても結局重要なのは「化学」の知識です。実際、生物だけを勉強して就ける仕事は限りがあります。やはり、バイオテクノロジーに関する仕事をするには「化学」が大切なので、本校では、化学が分かっている「バイオ分析化学者」の育成を目指しています!このブログをお読みの受験生の皆さん、本校で楽しく学べて使える技術を身につける本校をお考えになられはどうでしょう?

byすくろーす