官能試験とパルナス教授・・・って何!?(笑)

今日は生命バイオ分析学科2年生の卒業研究の日でした。私の担当している班は、「大阪のにおいに関する研究」チームと、「二色浜のアマモ生息域の底質に関する研究チームの2班です。今日はその2班に着目して卒業研究リポートをしたいと思います!
まずにおいのチームは、島津製作所のご協力を得つつ、今年新しく導入した「におい識別装置」を用いて研究を行っています。人間がなんとなく、「あ、これあのにおいに近い!」なんて思ったことを、この装置では識別できます。たとえば、同じコーヒーでも、産地によってそのにおいは少しずつ異なります。あらかじめ、異なる産地のコーヒーのにおいをこの装置で測定しておき、その後でインスタントコーヒーか何かを測定します。そうすると、そのインスタントコーヒーがどの産地のコーヒーに近いにおいかを類似度で示してくれるのがこの装置。私たちがやろうとしているのは、「あなたの街のにおいを『大阪のにおい』に例えるなら何?」ということです。それは新世界の串カツのようなにおいに近いですか?それとも大阪城公園にあるような木々に囲まれた自然のようなにおいに近いですか?ということです。これが分かれば、面白いと思いませんか?そんなようなマップを作って行きたいというのが本研究の主旨です。今は、串カツのにおいとか、自然の木々のにおいとか、例える基となる基準臭の調整に奮闘中です。
しかしながら、頼りになるのはやっぱり人間の嗅覚。採取したにおいが、本当にそう感じるかという官能試験を繰り返し行いつつ、基準臭を決定していってます。今日も多くの在校生が官能試験に協力してくれていました。本校は来年創立30周年を迎えますが、この研究はそれを記念した研究でもあります。アンケート調査には様々な中学校や高校の生徒さん、および先生方もご協力いただいております。より多くの方が関わり、皆さんでこの研究の行く末を見守っていただければと思っています。(写真は官能試験を行っている様子です。以前のアビー先生の日記でも紹介されていましたが、今日は1年生も協力してくれました。ありがとう☆彡)


さて、もうひとつのチームは二色浜に自然に生息しているアマモに関する研究チームです。アマモが生息している海は美しい海の象徴と言われていますが、人工浜にアマモを生育させるにはそれ相応の条件が必要となってきます。その条件は未だ化学的には解明されておらず、私たちはそれを解明すべく、企業やNPO団体の方々、そして他の専門学校の方々と共に共同研究を行っています。中でも、私たちの担当は、アマモが生えているところの海底の砂(これを底質と言います)や、アマモそのものの中に含まれている成分分析です。
写真の装置は分析する成分の1つである「窒素」を測定するための装置の一部なのですが、研究当初はとってもおぼつかない手つきで装置を組み立てていたH君も一人でサクサクっと組み立てられるようになりました。ちなみにこの装置のことをパルナス蒸留装置というのですが、チーム内での今の彼のニックネームは『パルナス教授』となっているそうで、言われている本人もまんざらじゃない様子です。(笑)この実験は3年間継続しておりますので、教授がきちんとそのバトンを受け継いで、良い結果を出してくれることを祈っています。
(写真は『パルナス教授』ことH君がサクサクっとパルナス蒸留装置を組み上げていく様子と、ピースをしているのは同じ研究チームで『パルナス教授』の命名者!?だそうです。)
 

  

byすくろーす