臨床検査に植物に微生物♪今日は実験の宝石箱や〜♪

後期が始まってから2週目となると、2年生・3年生の実験が本格的に動き出しました。
今日はそんな彼らの実験をちょこっとだけご紹介しましょう!

実験中ですが、ちょっと失礼しまーす!ということで、カメラを向けると、笑顔で応えてくれたのはN君。

彼は医療からだ高度分析学科3年生で、私も担当しております「医薬分析・臨床検査実験」を行っているところ。
この実験では、医薬品分析や臨床検査の現場で行われている分析技術を学ぶ実験で、これまで彼らが行って来た2年半の実験の応用編とも言えるべき内容となっています。

今日の実験テーマは、血清中の「酸性フォスファターゼ(ACP)」という酵素の活性測定で、分野としては臨床検査の実験となります。この酵素は、肝臓や脾臓など身体の各部に存在する酵素ですが、特に前立腺に最も多く含まれています。
そしてこの酵素は、臓器や細胞が損傷すると血液中に漏出することから、血清中のACPを分析することで、前立腺ガンの早期発見の指標として臨床検査において役立てられているのです。

実験の終りには、もう一人の担当の先生であります江間先生から、この酵素の特徴について、実験結果を踏まえながら学生に解説がありました。実験自体を楽しそうに教えてくださる江間先生の笑顔につられて、学生たちも真剣な中にも笑顔がこぼれていました。来週の実験も楽しみですね。


そして次に訪れたのは生命バイオ分析学科2年生の卒業研究。
学生たちが何やら真剣にMac先生からの説明を聞いています。

研究テーマをA君に聞くと、「身近な植物の耐塩性能の評価に関する研究」とのこと。
先週まで先生と実験の方向性について打ち合わせを行っており、今日から本格的に実験を開始することになったということでした。
しばらくすると、おもむろにクリーンベンチの方へ向い、植物体を培養するための培地作成をしていました。
やっと実験が出来る喜びでA君もH君も、少々顔がにやけているのが、クリーンベンチ越しに伝わってきますww


最後に訪れたのは、同じく生命バイオ分析学科2年生で卒業研究を行っている学生たち。
培地が入ったたくさんの試験管を前にディスカッションをしていました。

研究テーマをTさんに聞くと、「微生物群集を用いた難分解性物質の分解に関する研究」とのこと。
難分解性物質というと、大変難しく聞こえますが、彼らが分解しようとしている物質は色素。
染料工場から出る排水中に含まれていて、自然には分解しづらい色素を、微生物の力を使って分解し、処理しようというもの。現在は分解する微生物を自然界から探しているということでした。

ちなみに色素が分解されているかどうかを確認するのは簡単で、色素を入れた培地で微生物を培養した後、色が薄くなっていたらその色素を分解できたと分かり、特に色が薄くなっている物について、分析機器で測定していけばよいということでした。より分解能力の高い微生物を探し求めて、これからも頑張ってください!

こうして実験室を見て回ると、いろんな実験がなされていて、見ているだけでもとても楽しくなりますが、特に、2年生に自分たちの研究テーマや内容について質問をしていくと、楽しいだけじゃなく、それぞれの実験の専門家として誇らしげに自分の研究を説明してくれました。
1年ちょっと前、「化学はそんなに得意じゃないけど大丈夫かなぁ」と不安そうに体験入学に参加していた時の彼らと同一人物とは思えないほどの成長を感じられるのも、卒業研究の醍醐味です。そして、2年生の卒業研究はまだまだ始まったばかり。これから、いろんな先生から学生たちの様々な研究の様子をご報告させて頂くと思いますので、皆さん、お楽しみに〜♪

byすくろーす

※明日9月23日(祝)は休校のためにこのブログはお休みです。
 次回は9月24日(土)です。