実験室では今日もいろんな実験が…

 今日も実験室を覗いてみました。秋らしい天気が続く今日この頃、空調を付けること無く、白衣で動き回るのにちょうどいい時期ですね。学生たちが実験室をところ狭しと動き回っていました。今日は1年生の定量分析実験と2年生の資源分析化学科。有機テクノロジー学科の卒業研究が行われていました。

・どれだけ入ってる?定量分析実験
1年生の「定量分析実験」の様子です。

定量分析とは、試料の中に自分の知りたい物質(例えば水の中に含まれる金属イオンなど)がどれだけの量、濃度だけ入っているかを正確に分析する技術のことです。企業の商品、製品、あるいはその原料の中に、何がどれだけ入っているかを調べる技術は、メーカーや環境系企業では必ず必要となるもの。1年生達も興味深々といった様子です。

自治会副会長として先週のスポーツ大会でも活躍してくれた生命バイオ分析学科1年生のI君。実験操作が始まると表情が引き締まります。

・今日の卒業研究はいろんな「プラスチック」を合成する!特集です
 そして2年生は、卒業研究を行っていました。今日は資源分析化学科・有機テクノロジー学科の学生ですので、環境分析を扱う研究と、様々な「材料」を扱う研究がメインとなります。今日は「材料」を扱う研究、その中でも「プラスチック」を生み出す研究について紹介します。
 プラスチックといっても、その原料や出来た材料の性質、そして見た目に至るまで、本当にいろんな種類のものがこの世の中には存在します。ですので、その研究内容も様々です。まずは、「クエン酸」を原料としてプラスチックを作る研究をする班。全員集合して一枚。先日企業への内定が決定し、ブログでも紹介した有機テクノロジー学科2年生のMさん(真ん中)の姿もあります。


クエン酸とは、ご存じの方も多いと思いますが、梅干しやレモンに含まれるすっぱい成分の一種で、非常に体にも良い健康食品としても知られている物質です。身近なものから、いろんな種類のクエン酸ポリマーと呼ばれるプラスチックが出来ています。

有機テクノロジー学科2年生のO君のノートには、プラスチックの出来る様子が5分ごとにメモされていました。一ページびっしり埋まっています…。すごい。

 隣の実験台ではまた違うプラスチックが作られていました。

この班は、「リモネン」や「葉緑素」からプラスチックを作る研究をしています。リモネンはオレンジやレモンの皮に含まれているオイル成分の一つ、最近は洗剤なんかにも含まれていますね。そして「葉緑素」とは、植物の葉っぱを緑色に染めている色素のこと。この緑色は光合成をするうえで必要不可欠な色素であるため、どんな植物にも含まれています。黒く見える液体は葉緑素を「材料」として扱いやすいように加工したものです。これからどんなプラスチックが出来るか、楽しみです。

測定室ではさらに別の班が、合成したプラスチックの原料を測定していました。

この班は、プラスチックを作る際に、効率よく原料がプラスチックになるために加えられる「触媒」という試薬の研究を行っています。この触媒として、どんな物質が最も適しているのかを分析します。今日はそのプラスチックの原料がうまく合成できたかを調べているようです。バッテン先生の指導のもと、赤外分光光度計を使って分析していました。まず原料を手に入れて初めてその次の触媒の研究に移れます。

たくさん合成できたようです。次のステップ、期待しています。

 先日のブログでも卒業研究の中間報告会の様子が紹介されていましたが、研究はまだまだ中盤です。寒くなっていくこれからの時期が更に本格的に進められていきます。また、この他にももっといろんな研究班が、それぞれのテーマで研究を続けています。これからも卒業研究の紹介をしていきますので、お楽しみに!
by あおひげ