平成27年度入学式〜虹色に輝くために〜

今日は平成27年度入学式を挙行しました。
本校の入学式は回数にしてこれで34回目。つまり、今年の新入生は第34期生となります。

式場は、大阪市中央公会堂
ここ数年は、入学式も卒業式もこちらでお世話になっておりますが、
雨が降ったのは、初めてのことでした。
しかし、雨の中の中央公会堂も、それはそれで素敵でした。


式場に着くと、新入生を温かく迎えようと、
朝早くから自治会の学生たちが式場設営に協力してくれていました。


ちょうど1年前に同じ場所で、新入生として入学式に出席していた彼ら。
人間的にも知識・技術的にも随分成長しました。
「たった1年で、人って、こんなにも成長するんだな」と、少し感動しながら
協力してくれている学生一人一人の姿を眺めていました。

そうこうするうちに、会場設営も完了し、新入生も在校生も保護者の方も
席に着かれ、場内は新入生を祝う準備万端の空気に。席も一杯です。

ご来賓の方の入場を終え、まずは重里理事長先生の式辞。

「たどり着いたところは同じでも、違った道を歩いてきた同じ志を立て、
 何が、どこに、どれだけ、どんな状態であるのか?ということを明らかにする
 『分析化学』を学んで、生きる力を身に付けよう。
 分析化学という無形の財産を身に付けるチャンスが、今、目の前にあるのです。」
という実に本校らしいメッセージ。


そして、今年から就任された浅野校長先生の式辞。

「私たちが生きている中で、目に見えるものは自ずと気が付きます。
 しかし、世の中には、目に見えないものもたくさんあります。
 星は夜しか見えないけれど、昼にも星は存在します。
 見えないけど、見えなくても、そこにあるのです。
 『もっとも大切なものは目に見えないんだよ』という言葉は
 まさにそうしたことを集約しているように思います。
 目に見えないものを明らかにする一つの手段として、分析化学があります。
 この技術をしっかり身に付けられるよう頑張ってください。」
という「気づき」へのメッセージ。

理事長先生と校長先生からの激励を受け、
次は新入生代表である資源分析化学科H君による『宣誓』です。

「中学生の時に周期表に出会い、元素一つ一つに個性があることを知り、
 その個性の塊のような元素同士が結合することで、全く違う性質を持つ
 物質が出来ることに、化学の魅力を感じたことがきっかけで、
 将来は化学に携わることが出来る仕事に就きたいと考えるようになった」というH君。

 「これから本校で身に付けていく分析の知識や技術で、
  いつかは世の中の課題を一つずつ解決していけるような、
  日本で、いや世界で活躍できる技術者となるために、
  仲間とともに勉学に精進することを誓います!」
と、しっかりとした口調で宣誓が出来ました。


そんな新入生のやる気に満ち溢れた姿をご覧頂いた後は、
本校の卒業生がお世話になっている企業様からのお祝いや
在校生からの歓迎の言葉が続きます。

企業様のご代表として、
和薬品工業株式会社人事総務室人事部次長の水江基夫様からのご祝辞。
ジェネリック医薬品のメーカーであるこの企業様には、
医薬品の検査・分析・製造部門などで卒業生が何名もお世話になっていることから、
そうした先輩方の活躍についての紹介があった後、
「本校でしっかりと知識・技術を身に付け、皆さんの先輩方に続いて、
 当社にも入社して頂けることを期待して待っています。」
と力強いエールを頂戴しました。

また、昨年、同じ場所で先ほどのH君と同じ立場で新入生代表として宣誓をした
生命バイオ分析学科2年のMさん。
今年は、在校生代表として「歓迎の言葉」を述べることに。

緊張しているかと思いきや、とても落ち着いた口調で、これまでの1年間を振り返り、
新入生が安心して学校生活を過ごせるように、彼女が見て、触れて、感じたことを
ゆっくりと新入生に語り掛けるように読み上げてくれました。
新入生にとっては、先生だけでなく、先輩も確実に身近な存在になったことでしょう。


そして、無事、式は終了しました。
最後に各クラスに分かれて記念撮影です。
ネクタイをするのが初めての男子学生は、いろんな先生方からネクタイの締め方の
修正がここで入ります。
女子学生からは「先生、お母さんみたいですね。」と言われてしまいました(笑)。
そうなんです。言われて改めて気が付きましたが、学生にとっては
当然私は先生なのですが、私自身は、どこか、「みんなのお母さん」というような気持ちで
学生に接していたなとこの時感じました。

記念撮影中には、体験入学で面談をした何名かの保護者の方からわざわざお声掛け頂き、

「これから一人暮らしをしますので、少し心配ですが、
 この学校なら安心してお預けできると信じています。
 いろいろとお世話になると思いますが、よろしくお願いします。」

というお言葉も頂戴しました。

そして、気が付きました。
毎年、入学式や保護者懇談会などで、保護者の方とお会いするたびに、
こうしたお言葉を頂くことで、私自身にお母様やお父様から託された気持ちが言動に現れ、
「お母さんみたい」になっていたのかと。
いや、実に本校らしいなと、一人になった時に少し笑みがこぼれてしまいました。
そして、アットホームという言葉がこれほど似合う学校はないなと改めて思いました。

さぁ、これで学生一人一人の長いようで短い本校での道のりが始まります!
今日は天候に恵まれませんでしたが、降った雨は昨日までの自分を洗い流し、
これから始まる彼らの新たな物語を、雨上がりの虹で祝福するためのものだと信じています。
お父さんやお母さん、お兄さんやお姉さんに代わる「先生」が皆さんの味方です。
夢の実現には、辛いことや苦しいこともこれからたくさんあると思いますが、先生たちが付いています。
それぞれの夢に向かって虹色に輝くために、一緒に一歩ずつ前に踏み出しましょう!

byすくろーす