分析化学者への道のりは実験器具の使い方から!

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者化粧品製造業責任技術者化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

平日の学科・コースの授業は明日から始まりますが、化学分析コースの授業・実験は
先週の日曜日からスタートしています。本校では、入学するまでに化学を全く学んだ
ことがなくても、卒業時には各業界の分析化学者として活躍できる技能を身に付け、
それぞれの学生が希望する業界へ就職し、または希望する大学へ編入学していきます。

もちろん、そのような技能は短期間で醸成されるものではありません。全ての授業・
実験において、初歩から基礎、基礎から応用、応用から実務へとステップアップして
いきます。先日、入学したばかりの1年生にとって、この時期の授業は初歩的な内容
かも知れませんが、しっかりと化学を学んだことなく実務に就いている方にとっては
理解できていない内容も少なくないのです。

午後からの授業を1コマ覗いてみると、H先生(大手塗料系メーカーで化学分析室の
立ち上げから40余年、分析実務と社員の技術指導に従事)の「化学分析法」でした。
この授業は、化学実験を安全かつ正確に行うために、化学分析や化学合成、それらの
前処理に使用する実験器具・機器の取り扱い方法、洗浄方法などについて学びます。
今日は、基本的なガラス器具の用途や取り扱い方法、洗浄方法についての説明でした。

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昨日は午後から「基礎化学実験」でしたが、その時間内にも同じような様子が見られ
ました。実験といっても、初回でしたので安全教育を中心としたガイダンスを行い、
その中で実際に実験室に移動して、これからの実験で使用する器具の名称と、正しい
使い方などについて、M先生(白衣の男性)から説明があったのです。


(本来は、実験室では白衣と保護眼鏡の着用を必須としていますが、納品日の関係と
試薬等を一切使用しないため、私服のままで実験室に入室しています。)

H先生は授業で1年生たちに、実験上手になるために必要な要素について、学生に問いかけながら
話を進めていました。同じビーカーでも、材質が違うのはどうしてでしょう。同じビーカーという
名称が付く器具でも形が違うのはどうしてでしょうか。そのような疑問を持つこと、それが理解に
つながり、正しい器具の選択と取り扱いを可能にするというメッセージが、伝わったと思います。
分析化学者への第一歩を踏み出した1年生が、これからの成長ぶりが今から楽しみでなりません。

by あずみ