四年制の二年生が卒業研究?:そのココロは?

卒業研究が始まって1ヶ月以上が経ちました。二年生たちはそれぞれに実験に没頭し、段取りや手つきも手慣れたものになってきました。そんな中、本校の四年制学科である「医療からだ高度分析学科」の二年生たちは、まだ卒業ではありませんが「卒業研究」に関わっています。どういうことなんでしょうか? 今回、簡単にご紹介しましょう。

医療からだ高度分析学科に所属する彼らは、二年生の後期になると、机を並べて学んだ「生命バイオ分析学科」二年生の卒業研究に期間限定で参入します。今年の同学科の卒業研究では、全部で九つのテーマが設定され、それぞれ五、六人の班員でチームを作って研究に打ち込みます。医療からだ高度分析学科の二年生は、この九つの卒業研究から興味あるテーマを三つずつ選びます。そして、順にそのテーマに参入し、それぞれ約一ヶ月間、班員の一員となって実験に取り組みます。部分的ではありますが、三つの異なるテーマに携わることで大きく視野を広げることができます。私たちはこれを「課題研究」と呼んでいます。また、二年後に彼ら自身の研究が控えていますので、そのテーマ選定のヒントになるに違いありません。

私、しめじが担当する班にも、医療からだ高度分析学科のY君が参加し、九月半ばから懸命に実験しています。ちなみに、下の写真で一番左に写っているのが彼です(少々シャイなタイプなのです…)

卒業研究モードに入った学生は誰もが思うことでしょうが、彼もやはり「シナリオのはっきり決まっていない実験」には難しさを感じると言っていました。本校では、二年生の前期までは、しっかりとプログラム化された「答えのある」実験でスキルを磨きますが、卒業研究・課題研究に取り組むこの半年は全く質が異なります。なにしろ「誰も答えを知らない」実験ですからね。失敗したり、壁にぶち当たったりを繰り返すのも事実です。しかし、このプロセスこそが、問題解決能力を養うのに最も近道となる貴重な体験なんです。

この一ヶ月間、この写真のメンバーとともに実験をした彼は、何某かを学んだことと思います。そして、第二、第三のチームで別のテーマに取り組み、新しい視点、技術を身に付けることでしょう。

ちなみに、しめじ担当班所属の今年度卒業予定の六人も、どんどんタフになっています。最初は与えられたプロトコルをこなしているだけでしたが、最近は、次の実験計画を提案したり、自発的に調べものをしたりしています。あと数ヶ月でどこまで成長してくれるか、私の中ではわくわく感で一杯です。他の班とも切磋琢磨しながら頑張って欲しいものです。


by しめじ