卒業研究だけでなく、企業からの高い評価も受け継がれています!

本校の2年生の卒業研究は後期から本格的に始まりますが、
今年度は今週の木曜日から後期の授業が始まるため、水曜日まではまだ夏休み。。。
そんな中、一足早く生命バイオ分析学科2年生の「においに関する研究」を行う卒業研究のチームが
研究で用いる分析装置のメンテナンスに関する勉強のため、登校してきました。

においに関する研究は、これまで何年かに渡って行っており、
私がその指導を担当させていただいておりました。
時には、卒業生が来校し、後輩にアドバイスをすることもありました。
下の写真が昨年度卒業生が来てくれた時の様子。
中央で説明をしてくれているのがOBのM君です。
彼は、在学中に就職内定したアロマ関係のメーカーで現在も活躍していますが、
彼の働きぶりが評価され、彼の就職先から毎年求人を頂いております。
ちなみに、彼の後ろに写っているOさんは、昨年、M君と同じ企業に内定し、
現在はM君の後輩として企業で頑張っています。

今回、においに関する研究を行うためにどのような形で取り組むかを決める上で、
これまでの研究の成果を見直し、総合的に判断した結果、
今年度から方向性をガラリと変えることとなりました。
研究テーマは「生活環境の臭気対策に関する研究」というもの。
また、担当の先生も私からましおか先生に交代となったため、
今日は引継ぎも兼ねて、学生とましおか先生を含むメンバーで一緒に実験を行いました。

この研究で用いる装置は「におい識別装置」というもので、
人間の鼻に近い感覚で分析できるという非常に珍しくておもしろい装置です。
やっと装置を使って実験ができるという喜びからか、
学生達は、これまで以上に真剣に、かつ前のめりになって実験に取り組んでいました。

写真左のNさんに、この研究をしたいと思ったきっかけを聞くと、
「もともとにおいの分析に興味がありましたし、
 就職希望企業も化粧品や食品の香りを扱っている企業で、
 においに関する仕事に就きたいと思っていました。
 同じにおいの研究で頑張られていた先輩がおられる企業に行ければと
 思っていますので、この研究をしたいと思いました。」とのこと。
小さいボンベに入っている基準ガスをサンプリングバッグに移すのでさえも、
とっても楽しそう。まさに、「好きこそものの上手なれ」です。

一通り装置の使い方を説明した後は、早速、学生だけで先程の基準ガスの測定を
行なってもらいました。
二人一組で操作を一緒に確認しながら、間違いのないように慎重に進めましたが、
当然、今は少しおぼつかない手つきでした。
しかし、これまでの先輩もそうだったように、卒業研究が佳境に入る頃には、
私たち教員があれこれ言わなくてもサクサクッと分析が出来るようになり、
専門的な知識レベルでの対等な議論が出来るようになります。
今からその時が楽しみでもあります。

ちなみに、写真左のN君にも、この研究を選んだきっかけを聞くと、
「すくろーす先生の『かおり科学』の授業で教えて頂いたヒトの嗅覚の仕組みが
 とても面白く、その原理に近い装置であるにおい識別装置を使って、
 生活環境を改善するために何か出来れば!と思い、手を挙げました。」とのこと。
「授業が面白い」というのは、私たち教員にとって、とても嬉しいことで、
ちょっと照れちゃいました。(^^ゞ

今日準備したすべての基準ガスを装置が測定し終わるまでには時間がかかるため、
自動分析が出来るオートサンプラーにその仕事は任せるようにパソコン上で
プログラムを作り、今日は解散しました。
分析結果は明日のお楽しみ。さてさて、うまく行ってるかしら?


実験の指導が終わり、教務室に戻ると、とある企業様が学校に来られていました。
聞けば、卒業生が大変頑張ってくれているのでご挨拶がしたいということでした。
偶然ではありますが、この卒業生も、実はにおいに関する卒業研究を行っていた学生。
先に紹介したM君と共に一生懸命取り組んでいた、写真一番左の、もう一人のM君でした。

彼の働きぶりが評価され、彼が就職後、続けて求人を頂いてはおりましたが、
企業の人事担当の方から対面で直接その評価を伺うことができ、とっても嬉しく思いました。
また、今回訪問されたもう一つの目的が、本校を卒業した卒業生を採用したいということでした。
もちろん、新卒採用とは別枠の追加で!ということでした。

こうした嬉しいお話は、求人を頂く度に、企業様から電話やメール、
そして今回のような対面で伺います。
学生は自分の為に授業や実験に一生懸命に取り組み、
卒業生は自分の為に企業で頑張って業務に取り組んでいるのですが、
最終的には彼らが頑張ってくれているお陰で、後輩たちが安心してその道を歩いていけるように、
卒業研究も徐々に立派なものになり、また、途切れなく求人を頂けることにつながっています。

卒業研究が脈々と後輩たちに受け継がれるように、こうした企業での卒業生の高い評価も、
引き続き頂けるよう、これからもしっかりと指導していこう!と思いを新たにした日でした。

by すくろーす